迫力!! 日立建機の超大型油圧ショベル&トラック納車式…常識が通用しない[動画]

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迫力!! 日立建機の超大型油圧ショベル&トラック納車式…常識が通用しない[動画]全 23 枚

藤坂と日立建機日本は7月15日、日立建機の超大型油圧ショベル『EX5600-7』、リジッドダンプトラック『EH3500AC-3』の藤坂への納車式典を行った。式典は藤坂の音坂工場(栃木県佐野市)で行われた。

納車式典には、藤坂の役員、および従業員、日立建機日本役員や関係者が集まり、栃木県佐野市にある唐澤山神社の禰宜、権禰宜によって、修祓、降神の儀、献饌、祝詞奏上、切麻散米、玉串奉奠、撤饌、昇神の儀といった、神事が執り行われた。

式典では、藤坂の岡田昌也代表取締役社長が登壇し挨拶した。

「本日よりこの2台の大型重機が本格的に稼動する。岩石の採取はもちろん、今後に向けた開発などに、持っている能力を遺憾なく発揮し、計画成就にしっかりと貢献してくれるだろうと期待している」

超大型油圧ショベル『EX5600-7』。超大型油圧ショベル『EX5600-7』。

短時間で大きな生産量を生み出す

岡田社長は、採石工場内の重機の大型化は重要だという。短時間で大きな生産量を生み出すことは事業の発展に欠かすことはできない。「かつて人の手で掘り起こしていた時代は、1日で1立方メートルしか掘り起こせなかったが、今回の油圧ショベルは、1回で22立方メートルという量を掘り出せる。またダンプトラックに関しては、180トンもの砕石が運べる。このような技術の進化・革新には感謝している」。

リジッドダンプトラック『EH3500AC-3』。リジッドダンプトラック『EH3500AC-3』。

また日立建機株式会社代表執行役執行役社長 平野耕太郎氏が登壇し、「EX5600-7とEH3500AC-3の同時納入は、日立建機グループとして国内初のことだ」と述べた。

「1980年に当時国内最大級だった大型油圧ショベルUH50納入して以来、これまで多数の鉱山用機械を藤坂グループに納入してきた。藤坂は、時代の要望に応えるため、環境事業拡大にも積極的に取り組み、環境配慮型の大型中間設備を導入、循環型社会に対応している。そのほか、受け入れ施設、輸送体制と流通拠点の整備をすることで、輸送効率化にも取り組まれている。さらには、採石事業、環境事業に続く、森林事業も成長させていると聞いている。今後も我々は、藤坂グループの成長・発展をサポートできるような製品の提供、そして優れたアフターサービスをお約束する」

厳かに行われた納車式の様子。厳かに行われた納車式の様子。

式典の後には、株式会社藤坂、日立建機株式会社の関係者18名が壇上に上がり、納車された2台の建機の前でテープカットが行われた。

日本最大、分解して搬入

2台を祓い清める切麻散米も行われた。2台を祓い清める切麻散米も行われた。

式典の最後にはEX5600-7とEH3500AC-3の実機によるデモンストレーションが行われ、圧倒的なパワーと、大型化のメリットを存分に感じられるデモとなっていた。

EX5600-7は、エンジン出力1119kW(1520PS)×2、運転質量54万1000kg、バケット容量は34立方メートルといった、普通乗用車のスペックシートなどとは、全く比較にならないかけ離れた性能と重量のショベル。日立建機の製品の中では2番目の大きさを誇る重機で、担当者によると、もうひとつ上のクラスとなるEX8000シリーズは、分解しても日本の公道を運搬できないため、日本国内での導入は無理とのこと。つまりEX5600-7が日本最大というわけ。

マスターキーの引き渡し。左から、日立建機株式会社代表執行役執行役社長 平野耕太郞氏、藤坂グループ社主 山野井祥二氏、日立建機日本株式会社取締役社長 榎本一雄氏、藤坂グループ明盛宏産株式会社代表取締役社長 山野井清朗氏。マスターキーの引き渡し。左から、日立建機株式会社代表執行役執行役社長 平野耕太郞氏、藤坂グループ社主 山野井祥二氏、日立建機日本株式会社取締役社長 榎本一雄氏、藤坂グループ明盛宏産株式会社代表取締役社長 山野井清朗氏。

EX5600-7も、藤坂の音坂工場に納車される前に、ひたちなか市にある日立建機の工場で一度分解し、特殊車両通行許可書の輸送許可の認可を受けてから、トレーラを22台、ボディトラックを15台使って、深夜に運搬。こちらの工場内で2か月掛けて再度組み立てた。気になる価格は、定価が設定されているとのことで、EX5600-7は12億円とのこと。

EH3500AC-3は、エンジン出力1491kw(2027PS)、運転質量14万1000kg、公称積載質量181トンのダンプトラック。最高速度は56km/h、最小旋回半径は14.7m、タイヤサイズは37.00R57。全幅が最大9.13m、全長13.56m、全高7m(荷台をリフトアップした場合13.08m)となる。

株式会社藤坂 代表取締役社長 岡田昌也氏。株式会社藤坂 代表取締役社長 岡田昌也氏。

こちらのダンプトラックは、超大型ダンプトラック製品群の中では一番小さなモデルで、国内では1社にすでに提供しており、藤坂へ納車されたことで国内稼動は2台目となった。超大型建機については、主要マーケットが海外のため、99パーセントが海外向け。そのため国内で見られるのは非常にレアだという。

こちらのダンプトラックも、ひたちなか市の工場で分解し、トレーラなど17台で持ち込んだ。組み立てには1カ月を要したそうだ。こちらも気になる価格だが、6億円とのこと。

日立建機株式会社代表執行役執行役社長 平野耕太郎氏。日立建機株式会社代表執行役執行役社長 平野耕太郎氏。

デモンストレーションの際には、油圧ショベルが採石を掘り起こし、ダンプトラックが後退で油圧ショベルに近づいていくといったシーンがあるが、じつはダンプトラックの操縦で一番難しいのは、まっすぐ後退することだと担当者は明かす。

まっすぐ走らせるのは、実は難しい

2台をバックに、テープカットも開催された。2台をバックに、テープカットも開催された。

納車されたダンプトラックのハンドルは通常と同様の丸形だが、普通自動車のように、自動的にセンターに戻る機構がないため、運転席にいるとタイヤがどちらを向いているのかがほとんどわからない。その状況でまっすぐ後退させるのは至難の業で、慣れていないドライバーだと、蛇行してしまうそうだ。

そんな難しい操作にも関わらず、運転するための免許は必要ないという。とは言え、通常は現場でトレーニングを受けてから運転することになるので、助手席も用意されている。

デモンストレーションでは、EX5600-7で採石をかき集め、EH3500AC-3に積み込み、別の場所で採石を積み下ろすという一連の流れを見ることが出来た。デモンストレーションでは、EX5600-7で採石をかき集め、EH3500AC-3に積み込み、別の場所で採石を積み下ろすという一連の流れを見ることが出来た。

《関口敬文》

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