【トヨタ GR 86 / スバル BRZ 新型】FRらしさ、格好よさとは…デザインがめざしたところ

トヨタGR 86とスバルBRZ新型
トヨタGR 86とスバルBRZ新型全 26 枚

トヨタ『GR 86』とSUBARU『BRZ』新型のデザインは、基本デザインを共通とすることでより“格好良いデザイン”が目指された。開発の主導はトヨタである。

【画像全26枚】

機能とデザインの融合

GAZOO Racing Company G. R. Company GRデザイングループグループ長の松本宏一氏はまずGR 86のフロントデザインについて、「GRの統一のデザインテーマである、「ファンクショナルマトリックスグリル」をGR 86でも採用。この考え方は、機能をしっかり形で表すことで、ラジエーターの冷却性能を最大限生かすためのデザインだ」と説明。トヨタGR 86トヨタGR 86

左右にあるこのインレット(バンパー両端)もダミーではなく、「しっかりと空気を入れて、ホイールハウスの内側から空気を出す。これにより操安性などを向上させている」という。

さらにインレットの外側側面には空力シボが施された。これにより、「側面の空気の流れをコントロール。ちなみにこの空力シボは、「GR 86は水平、BRZは約20度傾いている。これも2車の走りの違いが表現されている」と述べる。トヨタGR 86トヨタGR 86

フロントグリルにはもうひとつ特徴がある。それは今回新たにGR専用のGメッシュが採用されたことだ。「六角形をモチーフの一部に少し“あや”を付けることにより、アルファベットの“G”を表現。今後はGRスポーツなどにも採用していく予定」とのことだ。トヨタGR 86トヨタGR 86

ヘッドライトはインサイド側にLEDのターンランプ、外にロー/ハイのヘッドライトを採用。そのランプには、「パラボラ形状のデザインを施し、精悍さを表現」。その下にあるクリアランスランプは、「『GRヤリス』や『GRスープラ』とイメージを統一している」という。トヨタGR 86トヨタGR 86

現行と寸法比較すると、「バンパー先端で約40mm下げるとともに、ヘッドライト光軸部分で約28mm上げながら、後方(室内側)に70mm引いている。これにより相対的に低い塊感のある凝縮したフロントデザインとした」と説明。トヨタGR 86トヨタGR 86

のびやかなFRプロポーション

サイドでは、「フロントバンパーのピークから、ドア断面のピーク(最も膨らんでいるところ)、そしてリアバンパーのピークまでを水平に通すことにより、低重心ボディを表現」。さらに、「フロントフェンダーの塊(ホイールハウス上面部分)をまっすぐサイドウインドウの(ショルダーあたりにある)ベルトラインに通すことによって、のびやかなFRプロポーションを表現」。これはドライバー視点でも、「フェンダーの両峰がしっかり認識でき、的確なドライビングに貢献している」と述べる。トヨタGR 86トヨタGR 86

松本氏によると、今回のGR 86の最大の特徴はサイドエアアウトレットだという。「フロントフェンダーからこのサイドアウトレット、そしてサイドシルスポイラーへかけて一体的にインテグレートさせている」と機能とともに、デザイン的にもポイントとなっていることを挙げた。トヨタGR 86トヨタGR 86

凝縮案のあるキャビン実現のために

デザイン面で最も凝縮感を表しているのがキャビンだ。ルーフラインとサイドシルスポイラーのラインにより(全体的に囲むようになることから)、「コンパクトなキャビンを表現している」とともに、「サイドウインドウを、Aピラー付け根を視点に、センターピラーで約6.5mm、捩じりながら室内側に絞っている。そのためCピラーの上部で約10mm、Cピラー付け根あたりで20mm内側に入れることができ、コンパクトなキャビンを表現している」と説明。その結果、バックウィンドウグラフィックも、下すぼまりの逆台形で、「スポーツカーらしいグラフィックになっている」とコメント。トヨタGR 86トヨタGR 86

リアのスタンスも、「ホイールアーチのリア下側を約20mmカット。さらにタイヤ自体が5mmに外に出ており、また、リアフェンダーの上端部分では40mm“削って”いることからタイヤが主張するワイドなスタンスを実現している」と説明。トヨタGR 86トヨタGR 86

ライセンスプレートは現行型のトランク部分からバンパーに移すことによって、「低重心を表現し、シンプルな張りのあるトランク背面を表現」。リアスポイラーはボディと一体型のダックテールタイプとされた。また室内にあったハイマウントストップランプをトランクリッドにビルトインした。

インテリアの狙いは、「運転に集中するための水平基調の骨格。操作系、使用性の最適機能配置、そして調和のとれた統一感の3つだ」と松本氏。インパネ上面を、「シンプルにフラットに、視界を妨げるものがない雑味のない水平基調の造形」とされた。トヨタGR 86トヨタGR 86

松本氏はGR 86のデザインについて、「ファンの皆様や販売店の皆様の期待に応えるべく、意のままの走りと本質を究めるというGR 86の考え方を徹底的に追求しデザインをした」と語った。

ヘキサゴングリルと前進感

さて、BRZの方はどうか。SUBARU商品企画本部デザイン部次長の河内敦氏は、フロントデザインについて、「スバルの特徴であるヘキサゴングリルを低い位置し配置し、それにフードのボリュームを被せることにより、前進感とボクサーエンジンらしい低重心を表現している」という。それに加え、「別体式のフロントリップスポイラー、エアインテークをつけることにより、さらにスポーティーさを演出」。SUBARU BRZSUBARU BRZ

バンパーサイドに配置したエアインテークは、「空気をスムーズにフェンダーに流し、操縦安定性に効いている」と機能ありきだと強調。また、「鮫肌をモチーフにした空力テクスチャーをスバルBRZでは20度に傾けて入れることにより、直進安定性とコーナリング性能のバランスをとっている」という。これはレースシーンからのフィードバックによるものだ。SUBARU BRZSUBARU BRZ

ヘッドライトは、「水平対向エンジンをモチーフにしたコの字シェイプを採用し、精悍な目つきを表現している」と述べる。SUBARU BRZSUBARU BRZ

そして、「皆さんの笑顔のためにBRZを作り込んだ。ぜひドライビングを楽しんで、洗車までも楽しんでいただきたいと」とコメントした。

《内田俊一》

内田俊一

内田俊一(うちだしゅんいち) 日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かしデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。保有車は車検切れのルノー25バカラとルノー10。

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