メルセデスベンツ、次世代EVトラックと初の燃料電池トラックを生産へ 2024年以降

メルセデスベンツ eアクトロス
メルセデスベンツ eアクトロス全 11 枚

ダイムラートラック(Daimler Truck)は7月15日、メルセデスベンツの次世代EVトラックを2024年から、初の燃料電池トラックを2027年から、ドイツ・ヴェルト工場で生産すると発表した。

メルセデスベンツの次世代EVトラックは、大型トラックの『アクトロス』のEV、『eアクトロス』の長距離輸送バージョンとなる。eアクトロスはリアアクスルのホイールハブの近くに2個のモーターを搭載しており、2個のモーターは合計で最大出力544hpを引き出す。

バッテリーは複数が用意されるが、最大で蓄電容量420kWhの大容量リチウムイオンバッテリーを搭載することができる。1回の充電での航続は、最大400kmの性能を備えている。バッテリーの充電には、出力160kWの急速チャージャーが利用できる。この場合、バッテリーの8割の容量を充電するのに、およそ1時間で済む。

一方、メルセデスベンツ初の燃料電池トラックが、『GenH2トラック』で、長距離輸送を想定した燃料電池トラックだ。GenH2トラックの量産バージョンでは、車両の総重量が40トン、最大積載量が25トンになる。 2つの液体水素タンクと、強力な燃料電池システムにより、最大で1000kmの航続を可能にし、重量物を長距離輸送できる燃料電池トラックを実用化していく。

ダイムラートラックが液体水素を使用するのは、気体水素よりも体積に関して、高いエネルギー密度を持つためだ。液体水素を使用する燃料電池トラックよりも、タンクを小型化でき、圧力が低下するため、大幅な軽量化が可能になる。これにより、トラックの積載スペースと積載重量が大きくなる。同時に、より多くの水素を搭載できるため、トラックの航続が大幅に伸びる。これにより、GenH2トラックは現行のディーゼルトラックに匹敵する長距離輸送が可能になるという。

GenH2トラックの量産モデル用に設計された2つのステンレス製液体水素タンクは、長距離をカバーするために、1個40kg、2つで合計80kgの容量を持つ。ステンレス製のタンクは、真空断熱された2つのチューブで接続されている。 GenH2トラックの量産バージョンでは、燃料電池システムは150kW×2の300kWを供給し、バッテリーは一時的に400kWを追加できる。 バッテリーの蓄電容量は70kWh。先行量産モデルは、2つの電気モーターが合計で660kWの最大出力と、422kgmの最大トルクを発生する、としている。

《森脇稔》

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