脱炭素時代に期待高まるカーフィルム…ガラスに貼り付け冷房能力改善、燃費も向上

脱炭素時代に期待高まるカーフィルムの機能性
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カーエアコンが当たり前の存在となり、「車内が暑過ぎて困る」といったことは少ない今日。実はそのカーエアコンは、一般的なルームエアコンと比較すると、空間の大きさに対して高い冷暖房能力を求められている。建物に比べ、外部からの熱負荷、特に大きな面積を占める窓ガラスからの熱流入が大きいからだ。

そこで活用したいのが、ガラスに貼り付けるカーフィルム。かつては、着色スモークフィルムなどを外部からの目隠しを目的として施工するのが主流だったが、近年では紫外線(UV)・赤外線(IR)カットといった機能性に優れる製品も多く登場。日焼けなど健康被害の元となるUVや、肌にジリジリと熱を伝え、車内温度上昇の一因となるIRを抑制することで、よりドライブが快適になることに加え、エアコン電力の抑制によって燃費向上も期待できる。実際、エアコン電力が航続距離に大きく影響するEVの普及を見据え、フィルム素材メーカーではより高い遮熱性能の追求や透明性との両立などの研究開発も進んでいる。

◆目に見えないフィルムの性能

フィルムというと、違いが目に見える可視光線透過率の違い(=スモーク度合い)に注目しがちだが、実は製品によってUV・IRカット性能や施工後の視認性、耐久性などは異なる。一般にカー用品店などでも入手できるDIY用製品よりも、事業者(専門店やディーラーなど)での施工を前提としたプロ用製品の方が、施工性が難しい反面、機能性や耐久性に優れており、そのプロ用製品も年々進化し続けている。

今年、新たにカーフィルム事業を発足したコボテクトは、事業者向け製品「コボテクト・サンブロックフィルム(KSBF)」を新発売。UVカット率100%を標榜し、IRも91~99%(可視光線透過率ごとの製品によって異なる)と高い水準の遮蔽率を実現。現在、遮熱性能を手で体感できる体感器を備えたメーカー認定施工店を全国各地に順次拡大しつつある。

また、その高い品質から長年、専門ショップなどから支持されているリンテックの「ウインコス」シリーズは昨年、プレミアムシリーズ・スタンダードに加えてミディアムシリーズもラインナップに追加。同じ可視光線透過率でも性能の異なる幅広い製品を取り揃え、最上級のプレミアムシリーズでは近赤外線カット率94~97%と高い遮熱性能を発揮。スモーク度合いだけでなく予算・性能に応じて製品を選択できるようになっている。独自の接着層によるクリアな視界性も同社製品の特徴で、昨年開設したウインコス専用ウェブサイトでは、そうした優れた視認性や遮熱という機能を視覚的に確認することも可能だ。

さらに近年では、透過率の低いプライバシーガラスを純正搭載するクルマも珍しくなくなったが、そんな中アイケーシーは、新たにプライバシーガラス専用というユニークなフィルム「フルメタルフィルム」をプレリリース。金属層とスモーク層から構成されるこの蒸着フィルムは、プライバシーガラスに貼り付けることで金属層の反射が見た目の高級感を演出。同時に、反射によってプライバシーガラス以上に外部からの視線を遮断するほか、金属層の反射とスモーク層による遮熱により赤外線カット率94%の遮熱性能も実現している。

一見同じ(可視光線透過率が同程度)に見えても、製品によってUV・IRカット性能(公表されている紫外線・赤外線カット性能の測定規格も同一とは限らない)や施工後の耐久性など、目に見えない性能差があるカーフィルム。機能を求めてカーフィルムを施工する場合は、「スモークなら全てUVカット・遮熱性能がある」という誤認を取り払って製品を選びたい。

◆フロントガラスにも貼れる?

せっかく優れた性能のカーフィルムを施工するのであれば、車内全てのガラスに施工したいもの。ただ、ドライバーの中には「前の席はフィルムを貼れない」と聞いたり認識したりしている人もいるかもしれない。

現在国内では、ドライバーの視野を確保するため、道路運送車両法により「フロントガラス・運転席・助手席のフロント3面には、特定のもの以外のものが装着・貼り付け・塗装・刻印されていてはならない」と規定されている。その禁止項目から除外されているアイテムには、車検ステッカーやバックミラー、最近では自動ブレーキのカメラやドライブレコーダーなどがあり、その中に「ガラスに貼り付けた状態で可視光線透過率が70%以上を確保できる透明なもの」も含まれる。カーフィルムはこれに該当し、貼り付けた状態で可視光線透過率70%以上であればフロント3面にも貼ることができるのだ。

現在、各カーフィルムメーカーでは、窓ガラスに貼付した際の可視光線透過率の減衰を最小限に抑える高い可視光線透過率と、遮熱性能を兼備した製品をそれぞれにラインナップ。製品メーカーや施工店によっては、施工後の窓ガラスの可視光線透過率を証する可視光線透過率証明書も発行している。

ただ、この証明書はあくまで施工時点での透過率を証するもので、車検適合を保証するものではない。車検適合の可否は車検時の測定に基づくもので、例えば施工直後は適合基準値を上回っていても、フィルムの経年劣化や汚れなどで可視光線透過率が減衰しうる可能性があることも覚えておきたい。ちなみに運転席より後ろのガラスについては、スモークの濃いフィルムや透過しないステッカーなども貼ることが可能となっている。

◆プロへの相談のススメ

 合法で機能的にメリットあるカーフィルムだが、特にフロント3面へも貼る場合は、ドライバー側にも注意が必要なのが現状だ。前述の法規定が業界従事者でも正確に認識されておらず、それを一因に車検での不合格や整備・点検の入庫拒否に繋がりうることがある。また、施工上ゴミの混入を完全には防げない一方で、フィルム施工者の技量不足により余分に目に付くゴミが混入したり、施工時の水漏れにより電装品を破損してしまうケースも。また近年では、メーカーが自動ブレーキの動作保証の観点から、一部車種の取扱説明書にフィルム貼付の禁止を明記していたり、純正でUV・IRカット機能付きガラス搭載車の場合、カーフィルム施工後の性能差が小さく「思った程遮熱を体感できない」といったことも起こりうる。

 一方で、年々日本でも平均気温が上昇する中、省エネの面でも活用したいカーフィルム。施工する際は、製品に関しての情報はもとより、こうした法規制や車両の知識・施工技術をしっかり有し、施工前から施工後までしっかりフォローしてくれるプロに相談してみるのがオススメだ。

脱炭素時代に期待高まるカーフィルムの機能性

《カーケアプラス編集部@相原駿》

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