JR東日本と秋田県は7月26日、田沢湖線(秋田新幹線)新仙岩(しんせんがん)トンネル整備計画の推進に関する覚書を締結したと発表した。
同トンネルが計画されている赤渕~田沢湖間は岩手県と秋田県の境を通るが、南北に連続している急曲線がスピードアップの妨げになっている上に、自然災害の多さや経年40年以上の老朽化した橋梁が集中していることもあり、安定運行や保守面でもネックとなっていた。
そこで2009年にはJR東日本東北工事事務所が、長大トンネルによるルート変更を土木学会で提唱。2017年11月からはJR東日本と秋田県がトンネル整備へ向けた経済波及効果分析や国への予算措置を求める要望などを行なっていた。
今回の覚書締結では、早期の整備実現へ向け両者の間で緊密な連携と情報交換などに努めることが確認され、「事業スキーム確定に向けた検討」「事業化に資する調査及び検討」「財政的支援を得るための国への働きかけ」などを行なうとされている。
仙岩峠(赤渕~田沢湖)整備計画によると、長さは約15kmで工期は約11年。事業費約700億円を見込んでおり、完成した場合、秋田新幹線は7分程度短縮されるという。