横浜ゴム、スタッドレスタイヤの新商品を4年ぶりに発売…新中期経営計画

「アイスガード7」と山石昌孝社長
「アイスガード7」と山石昌孝社長全 2 枚

横浜ゴムは7月29日、乗用車用スタッドレスタイヤの新商品のオンライン発表会を開催し、「iceGUARD 7(アイスガード セブン)」を9月1日から順次発売すると発表した。

「アイスガードは2002年に誕生し、この20年間、氷上性能を一貫して追求してきた。その結果、新製品のアイスガード セブンはヨコハマスタッドレスタイヤ史上最高の氷上性能を実現することができた。さらに氷上性能と相反する雪上性能も向上しており、より高いレベルでの両立に成功している」

こう説明する山石昌孝社長によると、同社は現在、2023年度までの新中期経営計画「ヨコハマ・トランスフォーメーション2023」を進めており、その事業戦略の一つとして日本市場でのスタッドレスタイヤの販売強化を掲げている。その第1弾の商品が4年ぶりに発売するスタッドレスタイヤ、アイスガード7とのことだ。

開発コンセプトは、「優れた氷上性能のさらなる向上、消費者が実感できる永く効く性能、氷上性能と雪上性能の両立の3つ」(野呂政樹常務執行役員)で、いくつもの新開発や新採用の技術が盛り込まれているという。

例えば、新開発の専用トレッドパターンによって、接地面積とブロック剛性を大幅に増加させ、イン側に幅広リブ、センター部に縦長のベルトブロックを配置することで、氷上の発進・制動時にしっかりと接地できるようにした。そして、アウト側にはお互いに支え合う大型のブロックを採用し、コーナリング時でもブロックが倒れこまずに路面に密着して大きく膨らむことなくスムーズに曲がれる。

また、雪上性能を上げるため、エッジ量を大幅に増加。イン側には傾き角度が異なる複数の横溝を配置することで、雪上の発進・制動時にしっかりとグリップできるようにした。センター部とアウト側にはジグザグに刻まれた縦溝を採用し、氷上と同様に雪上でもコーナリング性能を発揮できるそうだ。

コンパウンドについても、アイスガード7専用の「ウルトラ吸水ゴム」を開発。実績のある「新マイクロ吸水バルーン」と新採用の「吸水スーパーゲル」との相乗効果によって、氷が滑る原因となる氷上の水膜を吸水する効率がさらに向上。従来品のアイスガード6に比べて、吸水率が7%アップした。

さらに新採用の「ホワイトポリマーII」を配合することによって、「シリカ」がより一層ゴムの内部で均一に分散することが可能になり、ゴムをしなやかにするシリカの働きによって凍結路面への密着効果が上がった。

このような新開発の専用トレッドパターンとウルトラ吸水ゴムの効果によって、アイスガード6に比べて氷上性能が14%、雪上性能が3%向上した。また、性能持続性、ころがり抵抗、ウェット性能、静粛性能、ドライ性能、耐摩耗性能はアイスガード6と同等レベルを確保しているそうだ。

「当社は1985年にスタッドレスタイヤを発売して以来、一貫して氷上性能を追求し、今年はアイスガードの誕生から20年目になる。ヨコハマのスタッドレスタイヤとしては第7世代へと突入する。アイスガードは冬季の日常生活で遭遇するさまざまな凍結路面を検証し、開発に反映し続けてきた」と野呂常務執行役員は話し、新商品のアイスガード7に大きな期待を寄せていた。

《山田清志》

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