ランドローバー ディフェンダー 新型、ラリーレーサー発表…2022年にワンメークシリーズ開催へ

オフロードスペシャリストのボウラー

ロールケージやラリー用サスペンション

ボディシェルをさらに強化

ランドローバー・ディフェンダー 新型の「ボウラー・ディフェンダー・チャレンジ」参戦ラリーカー
ランドローバー・ディフェンダー 新型の「ボウラー・ディフェンダー・チャレンジ」参戦ラリーカー全 23 枚

ランドローバー(Land Rover)は7月28日、新型『ディフェンダー』のラリーカーを発表した。英国を拠点に2022年、全7戦のワンメークラリーシリーズ「ボウラー・ディフェンダー・チャレンジ」が開催される予定だ。

オフロードスペシャリストのボウラー

「ボウラー(Bowler)」は、英国に本拠を置くオールテレーンパフォーマンスカー、パーツ、ラリーレイド車の専門メーカーだ。ランドローバーが属するジャガー・ランドローバーは2019年12月、ボウラーを買収した。ボウラーは、1985年に英国に設立され、英国でオフロードコンペティションカーの生産を行い、国際ラリーレイドイベントで成功を収めてきた。ボウラーは、オールテレーン車両のダイナミクス、少量生産技術、過酷な条件下での部品の耐久性などに関して、豊富な専門知識を持つ。

ボウラーは創業以来、ランドローバーと密接な関係を築いてきた。ランドローバーは2012年、ブランドパートナーとしてボウラーを正式に承認し、2014~2016年にかけて、「ディフェンダーチャレンジbyボウラーラリーシリーズ」が開催された。

ジャガー・ランドローバーの「SVO」(スペシャル・ ビークル・オペレーションズ)は、急成長を遂げている事業だ。ジャガー車とランドローバー車をベースに、カスタマイズやパーソナライゼーションなどを手がける。このSVOに、ボウラーは組み込まれた。ジャガー・ランドローバーのSVOのエンジニアが、ボウラー車両の開発を支援しており、エンジニアリングの専門知識を活用して、SVOの施設でボウラー製品をテストしている。ボウラーの顧客は、すでにジャガー・ランドローバーの傘下に入ったことによる恩恵を受けているという。

ロールケージやラリー用サスペンション

このボウラーが開発したのが、新型ディフェンダーのラリーカーだ。英国を拠点に2022年、全7戦が開催予定の新たなワンメークラリーシリーズ、ボウラー・ディフェンダー・チャレンジで使用される。

ラリーカーは、新型ディフェンダーのショートボディ、「ディフェンダー90」がベースだ。FIA(国際自動車連盟)公認のロールケージが取り付けられる。フロントとリアのサブフレームが変更され、専用のパフォーマンスサスペンションセットアップのために、ブレースが追加されている。Foxと共同開発されたサスペンションにより、車高を25mm引き上げた。足元には、ボウラーラリー仕様の18インチホイールを装着する。オールテレーンタイヤを組み合わせた。

ボウラーのエンジニアは、消火や電気遮断システム、オフロード向けライトや車両制御システムなどを作動させる電子部品を、ベース車両の電気アーキテクチャに組み込んだ。車内には、競技用レースシートが取り付けられ、ギアセレクターのレイアウトは、レース用に変更された。ステアリングコラムには、ボウラーが開発したパドルシフトを装備している。

ボディシェルをさらに強化

ボウラーは、オフロードレースの過酷な条件に対応するために、高剛性な新型ディフェンダーのボディシェルをさらに強化した。ドア下のサイドシルカバーが取り外され、アンダーボディ保護パネルが装着された。フロントエンドも変更されており、冷却システムへの空気の流れを増やし、レース用ライトを組み込んだ。ルーフスポイラーも新デザインとした。

パワートレインは、2.0リットル直列4気筒ガソリンターボの「インジニウム」エンジンだ。最大出力は300psを発生する。

ボウラー・ディフェンダー・チャレンジには2022年シーズン、12台がエントリーする予定。英国本国でのベース価格は9万9500ポンド(約1520万円)で、エントリーやサポート費用が含まれている。その他にオプションとして、トレーニング、車両の輸送、車両サポートが用意される、としている。

《森脇稔》

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