【ヤマハ MT-07 試乗】これでいいのだ、じゃない。「これが」いいのだ…鈴木大五郎

ヤマハ MT-07
ヤマハ MT-07全 20 枚

オーソドックスな並列2気筒エンジンを搭載したネイキッドマシン、ヤマハ『MT-07』。最高出力は73馬力。価格は税抜74万円。というスペックだけ聞くと、コストパフォーマンス重視のお手軽バイクかと想像される。たしかにMT-07は非常にお手軽度が高いマシンである。スリムかつコンパクト。軽量。気負いなく跨がることが出来て、なんの儀式もなくイージーに発進できる。

【画像全20枚】

しかし、もう少しディープに付き合ってみれば、これがじつにバイクを良く解った人たちが作り上げてきたマシンであることがわかるはずだ。

ライダーの「その気」に応えてくれるマシン

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スペックの73馬力は数値的には今どき驚くものではないが、実際のパワー感は数値以上に感じられ、もう必要十分ではないかと思わせるほどパワフルでもある。

今回のモデルチェンジでは基本骨格はそのままに、デザインを刷新。ハンドルバー形状も変更され、ライディングポジションはよりリラックスしたものに。また、ユーロ5への適合と同時にFIのセッティングやECUの設定も変更されている。

スイスイ軽快なハンドリングは「マシンを意のままに」といった表現がピッタリで素直に楽しく、ストリートで大きな恩恵を受ける取り回しの軽さを身につけている。その軽さとエンジンのパワフルさで面白いようにフロントをリフトさせる事が可能。

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反面、ハードにプッシュしていくにはややフロント荷重が足りないようにも思われるが、自由度の高いライディングポジションによってそのパフォーマンスを引き出していくことが容易である。

「身体を前方に位置して」などとやってみると想像以上によく曲がり、コントローラブルなエンジンを使ってコーナー後半でさらに良く曲がってくれる。受け身の体制でも非常に良く走ってくれるマシンであるが、ライダーがその気になってもしっかり受け応えてくれる素性の良さ。接地感が高く、柔軟な車体は豊かな手応えが感じられ、自信を持って操作していくことが出来るのである。

これでいいのだ、じゃない。「これが」いいのだ

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並列2気筒のエンジンレイアウトはオーソドックスながら、この排気量のなかで表現出来る面白さを詰め込むことに成功している。パワーが抑えられているような感触ではなく、じつに元気いっぱいで、アクセルを開ける楽しみを味わいやすい。270度クランクのエンジンは鼓動感もあり、ただ「乗りやすく」なんて考えて作られていないのがハッキリとわかるキャラクターを有している。

アクセルの開け始めの唐突さもなく、マシンをコントロール下における自信を与えてくれる。電子制御の完成度やその装備がマシンの評価を大きく左右する昨今。ライディングモードや各パートの設定に時間をとられることなくすぐに走り始めることの出来るイージーさ。そして、そんなものが必要ないと思わせる素性の良さ。

ヤマハ MT-07ヤマハ MT-07
シンプルにバイクらしく、そして過不足ない充実感を与えてくれるマシンだ。

バカボンのパパではないが「これでいいのだ~」と思わず口に出しそうになって訂正したくなった。「これで」ではない。「これが」いいのだ!と思わせる、大満足なマシンとなっている。

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■5つ星評価
パワーソース:★★★★
ハンドリング:★★★★
扱いやすさ:★★★★
快適性:★★★★
オススメ度:★★★★★

鈴木大五郎|モーターサイクルジャーナリスト
AMAスーパーバイクや鈴鹿8耐参戦など、レース畑のバックボーンをもつモーターサイクルジャーナリスト。1998年よりテスター業を開始し、これまで数百台に渡るマシンをテスト。現在はBMWモトラッドの公認インストラクターをはじめ、様々なメーカーやイベントでスクールを行なう。スポーツライディングの基礎の習得を目指すBKライディングスクール、ダートトラックの技術をベースにスキルアップを目指すBKスライディングスクールを主宰。

《鈴木大五郎》

鈴木大五郎

AMAスーパーバイクや鈴鹿8耐参戦など、レース畑のバックボーンをもつモーターサイクルジャーナリスト。1998年よりテスター業を開始し、これまで数百台に渡るマシンをテスト。現在はBMWモトラッドの公認インストラクターをはじめ、様々なメーカーやイベントでスクールを行なう。スポーツライディングの基礎の習得を目指すBKライディングスクール、ダートトラックの技術をベースにスキルアップを目指すBKスライディングスクールを主宰。

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