コロナ禍のお盆、カーシェアサービスの現状は? 感染症対策、利用傾向を聞いてみた

タイムズカー
タイムズカー全 1 枚

お盆といえば帰省とレジャー。普段は自家用車を所有していない世帯でも、この時期だけはカーシェアサービスを利用しようという世帯は少なくないはずだ。

とはいえ1年半にも及ぶコロナ禍の中、カーシェアサービス全体でユーザー数が伸び悩んでいることは、複数の報道機関や調査会社でも報じられている通り。予約した専有時間枠だけはプライベートに使えるとはいえ、電車やバスなど他の公共交通機関と同様に他人と車両を共有するのが前提であるカーシェアサービスは、コロナ禍による感染症拡大が重しになっているようだ。

カーシェアの感染症対策は

カレコ・カーシェアリングクラブを運営する三井住友不動産リアルティと、4月よりタイムズカーシェアから名称を改めたタイムズカーを運営するタイムズモビリティに問い合わせてみたところ、両社とも対策内容はほぼ横並びながら、当然、清掃・消毒対策には大きな注意を払っている。

10日に1度の定期巡回メンテナンス時に、通常の清掃に加えてステアリングやスイッチ類、ドアノブなど手に触れる部分は無論、ダッシュボードやリアシートのステップ周りなど車内での会話時に飛沫のつきそうな範囲も拭きあげているというのだ。前者はアルコール系クリーナーや消臭スプレーで、後者は次亜塩素酸水等という違いはあるものの、いずれも対策を公式ブログやサイトで公開している。端的にいって、しょっちゅう人を乗せているズボラなオーナーの個人車両よりも、よほど清潔で行き届いた雰囲気だ。

ただし両社とも、お盆の繁忙期であっても10日に1度の巡回メンテンナンスの頻度を増やすことはしていない。車載のお掃除セットに加えて、ウェットティッシュもしくは除菌ウェットティッシュを備えつけとしており、気になる箇所を拭いて使ってもらうというセルフサービスの後は、ゴミとして持ち帰ってもらうという。窓開け換気やマスク着用もいうまでもない。要は会員制とはいえ半・公共の交通機関である以上、清潔さや身だしなみは運営者の責任や協力お願いベースではなく、ユーザーの常識的なマナーに委ねられている部分なのだ。

お盆時期の特徴は

この辺りはいかにも、予約毎に清掃・消毒がスタッフの手で行われていることが見える化されやすいレンタカーの方が、マンパワーで優るというか、フル・サービスという見方もできる。だがマイナーな駅を降りてすぐとか住宅街の中のコインパーキングといった、レンタカーが支店を出せないようなところをカバーしてくれるのがカーシェアの利便性でもある。

ちなみにお盆時期の特徴として、
・ミニバンなど大型車両のニーズが増加する
・長時間・長距離の利用が増える
・前もって予約するユーザーが多い
・渋滞等による利用時間超過の発生頻度が増える
・砂汚れなどレジャー事由の汚れの報告が増える

というのが、両社の広報担当者が異口同音に証言するところ。使う側としては、年末年始と並んで夏のこの時期、「即席のヘヴィ・ユーザー」にならざるを得ないからこそ、消毒アイテムといった手元の準備をはじめ、予約から行程、給油や返却時間には、あらかじめ余裕をもって臨みたいところだ。

《南陽一浩》

南陽一浩

南陽一浩|モータージャーナリスト 1971年生まれ、静岡県出身。大学卒業後、出版社勤務を経て、フリーランスのライターに。2001年より渡仏し、パリを拠点に自動車・時計・服飾等の分野で日仏の男性誌や専門誌へ寄稿。現在は活動の場を日本に移し、一般誌から自動車専門誌、ウェブサイトなどで活躍している。

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