【アウディ A3スポーツバック 新型試乗】この優等生っぷり、死角はないのか?…岩貞るみこ

アウディ A3スポーツバック 新型
アウディ A3スポーツバック 新型全 8 枚

威嚇するような顔立ちに仕立てる大きなグリル(正面にある黒い部分)は好きじゃない。角ばった直線的なデザインもメカメカしくて苦手だ。だというのに、それがアウディになるとどうしてこんなに上品に落ち着くのだろう。

コンパクトの可愛さと使いやすさに、遊び心のフィールド感を足したワゴンボディ。それをスポーツというテーマできゅっとまとめた『A3スポーツバック』は、実に優等生で隙がない。もっとも、車幅が1815mmってコンパクトカーとしてどうなのよという疑問は、日本の道を走る日本人としてはあるけれど。

アウディ A3スポーツバック 新型アウディ A3スポーツバック 新型
ただ、全長4345mmにまとめられた小さなクルマなのに、見るだけでいかにも「鉄板厚そう」という高級車として絶対的に必要なオーラを感じる。この鉄板の厚みの信頼感(?)は、走るとさらに感じられる。守られ感がはんぱないのだ。心身ともに安心できる心地よさなのである。

999ccのインタークーラー付きターボエンジンは、体幹の強いこのクルマを見事に加速させていく。走っているあいだに感じる守られ感は一瞬も途切れることがなく、すっかり身をゆだねてしまう。この気持ちよさは格別だ。

採用しているSトロニックの構造は、一般的なATに比べるとクリープ(ブレーキペダルを踏まないと、じわじわと前に出る)がなく、女性たちから使いにくいという声が上がっていた。この声に応えるように改良され、次第にじわじわ動くようになってきたのだが、A3スポーツバックはかなり強めに前に出る。

アウディ A3スポーツバック 新型アウディ A3スポーツバック 新型
ちょっとした上り坂でもぐいぐい前に進むので最初は、おおっと思うけれど、使い慣れるととても使いやすい。女性心理をよくつかんでいるものである。

この優等生っぷり、死角はないのか? もういちど最初から見渡してみると、やはり車幅1815mmだけがどうしても気にかかる。日本人としては、小さなクルマは1800mm以内に抑えてほしいのよ。たかが15mm、されど15mm。この差は大きいと思うんだよね。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★

岩貞るみこ|モータージャーナリスト/作家
イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。レスポンスでは、女性ユーザーの本音で語るインプレを執筆するほか、コラム『岩貞るみこの人道車医』を連載中。最新刊は「世界でいちばん優しいロボット」(講談社)。

《岩貞るみこ》

岩貞るみこ

岩貞るみこ|モータージャーナリスト/作家 イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。レスポンスでは、女性ユーザーの本音で語るインプレを執筆するほか、コラム『岩貞るみこの人道車医』を連載中。著書に「未来のクルマができるまで 世界初、水素で走る燃料電池自動車 MIRAI」「ハチ公物語」「命をつなげ!ドクターヘリ」ほか多数。2024年6月に最新刊「こちら、沖縄美ら海水族館 動物健康管理室。」を上梓(すべて講談社)。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 新タイヤメーカー「TIRE FROG」設立、第1弾「ヤンキー701」は7月7日発売
  2. 真夏のダッシュボードが20度以上低下!? 驚きの遮熱サンシェード新時代[特選カーアクセサリー名鑑]
  3. 『アトレーRS』ベースで力強い走り! 軽キャンピングカー「HAPPY1 Turbo」585万円で発売
  4. ジムニーノマドの死角を潰せ! 長くなっても怖くない、データシステムの『カメラシリーズ』がすごいぞPR
  5. メルセデスベンツの新型高級ミニバン『VLE』、プロトタイプの写真を公開
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. リチウムイオン電池の寿命を2倍に、矢崎総業、バインダフリー電極材料を開発
  2. 茨城県内4エリアでBYDの大型EVバス「K8 2.0」が運行開始
  3. 独自工会、EV減速でPHEVに着目、CNモビリティ実現へ10項目計画発表
  4. 三菱が次世代SUVを初公開、『DSTコンセプト』市販版は年内デビューへ
  5. トヨタや京大、全固体フッ化物イオン電池開発…従来比2倍超の容量達成
ランキングをもっと見る