◆中国現地生産を終えたクラウンの名称が1年ぶりに復活

『クルーガー』の名称は、2000年に日本市場で発売されたSUVに付されていた。その後、日本ではクルーガーの実質的な後継車として、『ヴァンガード』がデビューしたため、クルーガーは2007年3月、日本向けの生産を終了している。
なお、トヨタと第一汽車との中国合弁、一汽トヨタで現地生産されてきた4ドアセダンのクラウンは2020年春、生産を終了した。SUVのクラウン・クルーガーの登場によって、中国でクラウンの名称が、およそ1年ぶりに復活した。
◆北米向けの中型SUV『ハイランダー』がベース

一方、中国でのハイランダーは、現行型のひと世代前の3世代目モデルが生産・販売されてきた。今春の上海モーターショー2021では、このハイランダーの中国仕様車がモデルチェンジし、北米向けと同じ4世代目となって、初公開された。
なお、中国向けのハイランダーは、トヨタと広汽集団との中国合弁、広汽トヨタで現地生産されている。クラウン・クルーガーは、トヨタと第一汽車との中国合弁、一汽トヨタで現地生産が開始された。一汽トヨタの『カローラ』、広汽トヨタの『レビン』の関係と同じく、広汽トヨタのハイランダーと一汽トヨタのクラウン・クルーガーが、車台などを共有する兄弟車の関係となる。
◆クラウン・クルーガーのベースはスポーティ仕様の「XSE」

ハイランダーXSEは、通常のハイランダーに対して、メッシュパターンのフロントグリル、大きな開口部を備えたフロントバンパー、リップスポイラーが専用デザインとなり、アグレッシブな雰囲気を強調している。
専用のヘッドランプには、黒いアクセントとデイタイムランニングライトが組み込まれた。クラウン・クルーガーも、このXSEのデザインを採用している。フロントグリルには、クラウンを象徴する「王冠」が添えられた。
クラウン・クルーガーは、ブラックのアクセントが施された専用の機械加工の20インチアルミホイールに加えて、ルーフレールや下側のドアミラーカバー、ウィンドウモールディングを、ブラック仕上げとした。リアは、バンパーにツインエキゾーストが組み込まれた。室内には、3列シートが装備されている。
◆パワートレインはハイブリッドのみ

一汽トヨタは、このクラウン・クルーガーの生産を一汽トヨタのTNGA新工場で開始した。一汽トヨタのTNGA新工場では、品質管理スタッフが完成したクラウン・クルーガーの品質検査を慎重に行う。
同社は、クラウン・クルーガーは中国でのクラウンブランドの独自の価値を利用して、ユーザーに究極の体験を提供し、新時代のパイオニアとしてのニーズを完全に満たす、と自負する。この取り組みは、ハイエンド製品における一汽トヨタの戦略を補完し、一汽トヨタの事業における成功を支援するものになる、としている。