在庫も店舗も商談もなし、個人間中古車売買サービス『カババ』…田中代表「25分の1のコスト」

出品者と購入者にメリット

在庫や店舗を持たない、営業マンを雇わない

おのずと単価の高いクルマが集まってくる

いいクルマが集まるようなアルゴリズムを

個人間中古車売買「ガババ」を運営するアラカンの田中一榮代表
個人間中古車売買「ガババ」を運営するアラカンの田中一榮代表全 3 枚

カーセンサーやグーネット、ガリバーといった中古車サイトから、メルカリ、ヤフオクなどの個人売買まで、いま中古車選びはいろいろあるなか、「カババ」という異形の中古車売買サービスが2020年に始動した。

そのカババがローンチして1年が経ったいま、このカババでどんな中古車売買が成立・実現しているか。同サービスを運営するアラカン(愛知県名古屋市)の田中一榮代表取締役に聞いた。

出品者と購入者にメリット

まずカババとは。カババは、個人間の中古車売買を、AIS資格保有の自動車鑑定士が仲介し、「より安心安全でお得に売買を実現させる」というサービス。

売買の流れは、AIS資格保有の自動車鑑定士が出品者自宅へむかい、出品作業から名義変更、輸送、クレーム対応まですべてを代行する。

出品料と代行料は無料で、売約が成立すると全額が出品者に入金(振込手数料は負担)され、名義変更や販売後の保証なども付帯して販売できることで、販売後のクレームなどのリスクも低くカバーできるという。

「出品者と購入者の双方にメリットがある」というカババの出品者のメリットは、「電話するだけで、あとはプロに任せられる」「一般的な中古車相場よりも高く売れる」「売買成立までクルマをいつもどおり利用できる」「愛車の記念動画が手に入る」などがある。

また購入者のメリットは、「個人売買なので消費税不要、自動車税も出品者負担で一般的な中古車相場よりも安く買える」「価格も品質もプロが鑑定、安心して購入できる」「個人売買でも低金利3.9%ローン支払いプランがある」「全車、走行や傷のチェック動画つき」「営業活動ゼロですべてワンプライス、商談などなし」などがあるという。

在庫や店舗を持たない、営業マンを雇わない

カババ説明会でアラカン田中代表は、その強みのひとつを、「在庫や店舗を持たない。営業マンを雇わない」と伝えた。

「カババにはいま、出品車両の価値総額が15億円相当ある。出品車両を何百台も抱えながら、リアルな車両在庫はない。在庫を抱えないうえに、店舗も持たない。営業マンも雇っていない。圧倒的な低コストでビジネスを運営しながら、商品単価が高いクルマを流通させている」

「この規模の店舗や在庫を抱える一般的な中古車業を始めようとすると、初期費用に25億円ほど要る。たかだか1億円ほどの会社でこれができている。25分の1のコストでサービスが実現できた」(田中代表)

おのずと単価の高いクルマが集まってくる

こうしたカババのメリットを聞いているうちに誰もが思うのが、「この手数料で運営していけるのか?」という思い。田中代表は、カババの収益についてこう教えてくれた。

「現状、AIS資格保有の自動車鑑定士が関東に2人、名古屋1人、大阪に1人いて、みな在宅勤務。だから出品者への査定コストは自宅からの交通費と人件費のみでコストを抑えることができている」

「中古車売買ばマッチングしたときに、3万円を払うという仕組み。1億円のクルマも、100万円のクルマも売買成立時に3万円がかかる。だから、おのずと単価の高いクルマがカババに集まってくる」

「単価の高いクルマ、高年式・低走行距離のクルマは、不具合が起きる可能性も低く、結果的に売買間でのトラブルも少ないので、少ない人員で多くの取引をこなすことができる。ここもカババのアドバンテージ」

「収益については、マッチング手数料の3万円以外に、納車前点検整備やコーティングなど、購入者のニーズにあったオプションを提供しつつ収益が発生する仕組み」

「カババの出品ラインナップは、単価の高い輸入車や、マニアックな走り屋系、エンスー系のクルマたちがほとんど。こうしたラインナップの特徴から、カババでは、カーセンサーなどでは出回ってないクルマがいろいろあるので購入者が現れやすい」(田中代表)

いいクルマが集まるようなアルゴリズムを

店舗や在庫を持たず、固定費を最大限おさえることで、中古車販売リアル店舗よりも安く購入でき、高く売却できるというカババに、この8月から三菱UFJキャピタルが出資するという。

カババを運営するアラカンに出資を決めた三菱UFJキャピタルは、今回の出資理由について「中古車流通市場は市場規模が巨大であるにもかかわらず、その流通構造の複雑さや不透明さから、いまだ個人間売買が普及しているとはいいがたい現状」と前置きし、こう伝えている。

「アラカンが運営するカババは、これまでの個人間売買の負の側面を排除し、文字通りに「最も高く売れ、最も安く買えるプラットフォーム」を実現し、中古車の流通構造を大きく効率的なものに変革させうるものと考え、近い将来に、巨大な中古車市場のなかで存在感を大きく示してくれるものと期待している」(三菱UFJキャピタル)

大手中古車販売店のネクステージでの常務取締役を経て、アラカンでカババを立ち上げた田中代表は、「誰もが笑顔で取引できる中古車個人売買をめざしたい。三菱UFJキャピタルが投資してくれた資金を、いいクルマが集まるようなアルゴリズムの向上に生かしていきたい」と伝えていた。

《レスポンス編集部》

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