1400台のトラックと2300人超のドライバーが働く物流インフラ企業、アサヒロジスティクス(本社:さいたま市)では、「女性向けユニフォーム」を2021年4月に導入した。このほどサイズ設定を4種類から6種類に広げる。
「私たちが欲しいのは、ただサイズが小さいだけのユニフォームじゃない!」 女性向けユニフォーム導入のきっかけは、女性ドライバーから意見だったという。
サイズ設定の展開拡大と同時に、女性向けユニフォームのサイズ交換や追加支給を申請する際のウェブ申請を導入する。さらに女性向けユニフォームの支給では、中身が見えない袋に個人別に封入されるようにする。いずれも8月31日より運用する。
●女性向けユニフォーム導入の経緯
アサヒロジスティクスでは2019年12月に、女性・若手ドライバーの働く環境を整備する目的で「クローバープロジェクト」を発足。その最初の取り組みである女性専用車両「クローバー」導入した。そして2020年6月に女性ドライバー102名を対象にアンケートを実施した。
アンケートで出てきたのが「ウエストに合わせるとパンツの丈が短い」「パンツの脚幅が太すぎて動きにくい」「半袖のポロシャツは日焼けが気になるが、長袖は暑くて夏場は着られない」などの意見だった。
従来のユニセックスタイプ・ユニフォームはS~7Lまでの9サイズを用意し、サイズ展開を広くすることで男女問わず着用できるようにしていた。しかし、女性の快適を考えると「ただ小さいサイズがあればいい」というものではなく、女性の体型や好みに合わせたユニフォームが必要であることがわかった。ここからクローバープロジェクトで女性向けユニフォームを検討し、2021年4月より着用開始となった。女性向けユニフォームの着用は義務ではなく、現行のユニセックスタイプの着用も可能だ。
●女性向けユニフォームの特徴
ポロシャツは透け感が気にならないデザインに変更し、軽く肌触りが柔らかい素材にした。大きさがほぼ同じ半袖ポロシャツで約70gの軽量化。パンツはタックを入れて腹部にゆとりを持たせ、脚幅は太すぎず足さばきの良いシルエットにした。ベルトは腹部の圧迫を軽減し、軽量化も可能なテープタイプに変更(約55g軽量化)。
●継続的に改善を
導入された女性向けユニフォームだったが、従来のユニセックスタイプの着用に慣れていた一部の女性ドライバーからは「シルエットが細すぎて合うサイズがない」「素材が柔らかくなった分、身体のラインが出やすいのでは?」との指摘があった。そこで当初設定したS~LLの4サイズに、3L・4Lを加えた6サイズに展開を拡大することになった。現行のユニセックスタイプとのサイズの違いを比較しやすいようサイズ表も作成した。
よりサイズを細かく選べるようになったために出てきたのが「サイズの変更や追加支給時に自分のサイズを周囲の人に知られてしまう」という不安だ。サイズ変更や追加支給の際、従来は拠点担当者への口頭や書面での申請が必要だった。これに対し、女性ドライバーが自身でユニフォームの支給申請を行なえるよう、ウェブフォームの運用を開始する。
支給の際も、中身が見えない袋に個人別に封入する形態へと変更する(女性向けユニフォームのみ)。