兵庫県の粟生(あお)駅(小野市)と、北条町駅(加西市)を結ぶ北条線を運営する北条鉄道は9月1日、キハ40形一般型気動車を導入すると発表した。
北条線は1985年4月、国鉄加古川線から分岐する国鉄北条線を承継して開業した全線単線の第三セクター鉄道で、承継時は交換可能駅がなかったことから、全線での折返し運行が長く行なわれていた。
しかし、2020年9月には開業以来の一大プロジェクトとして、加西市内の法華口(ほっけぐち)駅に交換設備が設けられ、通勤・通学時を中心に輸送力が向上した。
その一方で、在籍車両は1999年から2008年にかけて導入されたフラワ2000形3両のみで予備車が不足していることから、3月のダイヤ改正で引退したJR東日本の五能線色キハ40形500番台1両が導入されることになった。
導入されるJR東日本のキハ40形500番台。3月のダイヤ改正までJR五能線などで運用されていたもの。北条鉄道では2022年5月31日までの運行開始を目指しており、導入に際しては、運行に必要な改造費などを賄うため、9月1日から10月29日までインターネット募金(クラウドファンディング)が行なわれる。
目標金額に到達した場合にのみ支援を受けることができるAll-or-Nothing形式で募るため、目標金額は第1目標として必要最低額の300万円、第2目標として700万円が設定されている。
五能線募金はクラウドファンディングサイトの「READY FOR」で受け付けており、9月1日16時30分時点で、84人から第1目標金額の4割にあたる121万5000円の支援が集まっている。