元王者キミ・ライコネン、2021年シーズンを最後にF1引退…通算21勝、2005年鈴鹿大逆転V

2018年アメリカGPで勝ったライコネン(当時フェラーリ)。現段階でライコネン最後のF1勝利。
2018年アメリカGPで勝ったライコネン(当時フェラーリ)。現段階でライコネン最後のF1勝利。全 11 枚

キミ・ライコネンが今季限りでF1から引退する。9月1日、現所属F1チームのアルファロメオ(Alfa Romeo Racing ORLEN)が発表した。

ライコネンは自身のインスタグラムに「今年(2021年)がF1での自分のラストシーズンになる。(シーズン前の)冬の間には決めていたことだ。簡単な決断ではなかったけど、今季終了後には新しい時間が始まる」との旨を記し、2021年シーズン限りでのF1引退を公表。同時に家族やチーム、多くの関係者らに長年の感謝を伝えている。

1979年10月17日生まれ、フィンランド出身のキミ・ライコネンは現在41歳。2001年にザウバー(現在のアルファロメオF1のチーム母体)からF1にデビューし、翌02年にはマクラーレンに移籍、トップドライバーとしての歩みを始める。03年マレーシアGPでF1初優勝。マクラーレン、フェラーリなどで活躍した。

フェラーリ加入初年度である2007年、シーズン終盤の大逆転で自身初のF1ドライバーズタイトルを獲得。その後は世界ラリー選手権(WRC)を主戦場にした時期もあり、F1でのキャリアは連続的ではないが、昨季(2020年)途中にはF1の決勝出走回数で歴代トップに浮上した。2021年第12戦ベルギーGP終了時点で記録は341戦まで伸びている(手元集計、以下すべて同。なお、現アルピーヌのフェルナンド・アロンソの来季参戦継続が決まっているため、本稿執筆時点におけるライコネンとアロンソの決勝出走回数の差などから考えると、順調なら来季2022年の終盤にはアロンソが新たな歴代トップになりそうである)。

通算21勝は目下のところ歴代15位。現時点で最後の優勝は2度目のフェラーリ在籍期最終年だった2018年のアメリカGPだ。2019年からはアルファロメオで走っており、今季(2021年)は第12戦終了時点で決勝最高10位。

日本のチームや自動車メーカーと縁が深いドライバーではなかったが、先代の“フライング・フィン”であるミカ・ハッキネン同様、日本では絶大な人気を誇ったF1ドライバーのひとりだ。マクラーレン所属時の2005年には、鈴鹿サーキットにて開催された日本GPで予選17位からの劇的な最終ラップ逆転優勝を演じており、このレースは多くのファンに鮮烈な記憶となって残っていることだろう。2007年の王座獲得も劇的な大逆転、思えばドラマチックなシーンの主役としてのイメージが強い選手でもあった。

今季は現時点で残り10戦の予定。ライコネンのラストシーズンに日本GPがないのは実に残念だが、映像を通じて、名手の退場を見守りたい。そして、F1引退後の彼の活動にも注目したいところだ。

[追記:9月4日] ライコネンが今季限りでのF1引退を公表してから初めて迎えた実戦、9月3~5日の第13戦オランダGPをライコネンは予選日(4日)以降、欠場することになった。新型コロナウイルスの検査で陽性となったため。チームによれば、ライコネン本人に目立った症状はなく、元気とのことである。4~5日はロバート・クビサがライコネンの代役としてアルファロメオから参戦する(初日=3日の走行にはライコネンが参加していた)。

《遠藤俊幸》

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