【F1 オランダGP】フェルスタッペンが母国GPでポールトゥウィン、ランキングトップに返り咲き

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オランダのザントフォールト・サーキットで5日、F1第13戦オランダGPの決勝レースが行われ、マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)がルイス・ハミルトン(メルセデス)の猛追を振り切り、母国GPでポールトゥウィン。チャンピオン争いもトップに返り咲いた。

36年ぶりに復活したオランダGP。タイトル争いをするマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)にとっては初の母国GPとなるが、予選ではメルセデスの2人を抑えて見事ポールポジションを獲得した。決勝日もスタンドはナショナルカラーのオレンジ一色。オランダのヒーロー、フェルスタッペンの優勝を見るべく、多くのファンがザントフォールト・サーキットに集った。

なお、キミ・ライコネン(アルファロメオ)は金曜日のPCR検査で陽性となり、土曜日からロバート・クビサが代役でアルファロメオのステアリングを握っている。

決勝レースは72周。スタートを決めたフェルスタッペンは1周で2位に1.7秒も差をつける素晴らしいスタートダッシュをみせた。2位ルイス・ハミルトン(メルセデス)もフェルスタッペンを追ったが徐々に差が広がり、20周目には約4秒の差となっていた。その翌周にハミルトンはピットストップを行い、ソフトからミディアムにタイヤを交換してコースに復帰。フェルスタッペンは翌周にソフトからミディアムにタイヤを交換した。コースに戻ると、ピットイン前後に猛プッシュしたハミルトンがフェルスタッペンとの差を一気に1.8秒まで短縮。ここから改めて2人の戦いが始まった。

この時点でトップはタイヤ交換を行っていないバルテリ・ボッタス(メルセデス)で、2位になったフェルスタッペンの約10秒先。しかしフレッシュなタイヤで走行するフェルスタッペンは、1周1秒以上トップとの差を詰めていった。メルセデスとしては、フェルスタッペンがボッタスに追いつき、ペースが落ちた瞬間にハミルトンがフェルスタッペンの前に出る作戦。しかし30周目にボッタスに追い付いたフェルスタッペンはあっという間にボッタスを抜いて、ハミルトンが付け入るすきを与えなかった。

ハミルトンもすぐにボッタスを抜いてフェルスタッペンの約1.5秒後方を走行し続けたが、40周目にピットインして新品のミディアムタイヤに交換。フェルスタッペンはその翌周にミディアムからハードにタイヤを交換してコースに復帰した。この時点で2人の差は約3秒あったが、50周を過ぎた辺りからハミルトンはペースを上げファステストラップを記録。差を一気に2秒以内に持ち込んだ。

しかしハミルトンの追い上げもここまで。その後はペースが上がらず差は広がる一方となった。その結果、フェルスタッペンは初の母国GPでポールトゥウィンを決めるとともに、チャンピオンシップポイントもハミルトンを逆転してトップに返り咲き。オレンジに染まったスタンドは大歓声に包まれ、オレンジの発煙筒が炊かれコースが見えなくなるほど、ファンはフェルスタッペンの優勝を讃えた。

終盤、残り4周で3位を走るボッタスはピットインしてソフトタイヤに履き替えてコースイン。ファステストラップ狙いかと思われたが、チームメイトのハミルトンがファステストラップを持っているため、チームから「ファステストは取るな」との無線が入った。ボッタスはそれを聞いてペースを落とすも、好条件での走行となったためファステストラップを記録。残り2周でトップとの3秒の差を逆転するのは難しいと考えたハミルトンはピットインし、ソフトタイヤを履いてファイナルラップでファステストラップを奪い返し、貴重な1ポイントを上乗せした。

表彰台は優勝フェルスタッペン、2位ハミルトン、3位ボッタス。4位には1ストップ作戦を成功させたピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)が入り、以下1ストップ作戦組のシャルル・ルクレール(フェラーリ)、フェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)、カルロス・サインツ(フェラーリ)が続いた。

ウイング交換でピットスタートを選んだセルジオ・ペレス(レッドブル・ホンダ)は、途中ハードブレーキでタイヤを壊し予定外のピットストップを強いられるも、数々のオーバーテイクを決めて8位。角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)はトラブルでリタイヤとなった。

次戦、第14戦イタリアGPはイギリスGP以来の予選レースでスターティンググリッドを決めるフォーマットとなる。日程は9月10日にフリー走行1回目と公式予選が、11日にフリー走行2回目と予選レースが行われ、12日に決勝レースが行われる。

■オランダGP 決勝レース結果
1. マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)
2. ルイス・ハミルトン(メルセデス)
3. バルテリ・ボッタス(メルセデス)
4. ピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)
5. シャルル・ルクレール(フェラーリ)
6. フェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)
7. カルロス・サインツ(フェラーリ)
8. セルジオ・ペレス(レッドブル・ホンダ)
9. エステバン・オコン(アルピーヌ)
10. ランド・ノリス(マクラーレン)
11. ダニエル・リカルド(マクラーレン)
12. ランス・ストロール(アストンマーチン)
13. セバスチャン・ベッテル(アストンマーチン)
14. アントニオ・ジョビナッツィ(アルファロメオ)
15. ロバート・クビサ(アルファロメオ)
16. ニコラス・ラティフィ(ウィリアムズ)
17. ジョージ・ラッセル(ウィリアムズ)
18. ミック・シューマッハ(ハース)
以上完走

--. 角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)
--. ニキータ・マゼピン(ハース)

《藤木充啓》

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