イコライザーって、何?[サウンドチューニング 実践講座]

「イコライザー」の設定画面の一例(クラリオン・フルデジタルサウンド)。
「イコライザー」の設定画面の一例(クラリオン・フルデジタルサウンド)。全 4 枚
サウンドチューニング機能をあれこれ触ってみることも、カーオーディオの楽しみどころの1つだ。当連載では、それを満喫していただくための実践的なテクニックを紹介している。今回からは「イコライザー」の設定方法について解説していく。

まず当回では、「イコライザー」という機能がどのようなものなのかを紹介する。

最初に、機能名の意味を説明しておこう。単刀直入に「イコライズ」という言葉には、「等しくする」、「平等にする」、「一様にする」という意味がある。よってカーオーディオメインユニット等に搭載されている「イコライザー」もすなわち、「等しく」したり「一様に」するための機能だ。

さて、何と何を「等しく」したり、何を「一様にする」のかというと…。何と何かはつまり、「音源と出音」だ。オーディオ再生を行う上で目指すべき目的の1つは「音源どおりの音を再現すること」だが、カーオーディオでは車室内空間が狭く音響的なコンディションがあまり良くないので、もともとの音源どおりのサウンドにならないことが往々にして起こり得る。「イコライザー」はそれを補正するための機能でもある。これを駆使して、もともとの音源と出音とを同じにすることが目指される。

そして、何を「一様にする」のかというと、それは「周波数特性」だ。やはり車内は狭いがゆえに、そしてガラスやパネルに囲まれているので音が幾重にも反響する。さらにはシートで吸収される音もある。したがって、フラットであるべき「周波数特性」が乱れがちとなる。ある周波数帯ではピークと呼ばれる「音が増幅される現象」が起こり、ある周波数帯ではディップと呼ばれる「音が減衰する現象」が引き起こされる。

「イコライザー」は、そういった周波数特性の乱れを正し、音の響き方を一様にする役割を担うのだ。

なお、結局のところは「もともとの音と同じにすること」も、「周波数特性の乱れを一様にすること」も同一のことだ。つまり「イコライザー」とは、聴こえ方を正しくするための機能、というわけなのだ。

しかしながらその一方で、「味付けを加える」という役割も負っている。サウンドの好みは人それぞれだ。もともとの音がどうあれ、より低音が強調されたサウンドに変えたくなることもあるし、高音がきらびやかな方向に変化させたくなることもある。「イコライザー」はそういった各人の好みに合わせて色付けを加える機能でもある。

ところで、「イコライザー」にもいろいろなタイプがある。次回からはタイプごとの操作方法を解説していく。お楽しみに。

「イコライザー」って、何? 「サウンドチューニング」実践講座 Part2 イコライザー編 その1

《太田祥三》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 【ダイハツ ムーヴ 新型】「ポッキー入れ」にイルミネーション、軽自動車でも質感を“あきらめさせない”インテリアとは
  2. 「本当に世に出るとは」車重わずか1トンで800馬力V12、「超アナログ」スーパーカー…新型車記事ランキング 8月
  3. ホンダ『フリード』がニューレトロに!? ダムドが専用ボディキットのデザインを先行公開 発売は2025年冬
  4. メルセデスベンツ『GLC』新型、インテリア先行公開…史上最大39.1インチディスプレイ採用
  5. さらなる人馬一体へ!NDロードスター用「リビルトエンジン」発売、価格は65万7800円
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る