ホンダ、自動運転モビリティの実証実験をスタートへ…事業の具体的内容

ホンダが目指す日本での「クルーズ・オリジン」導入イメージ
ホンダが目指す日本での「クルーズ・オリジン」導入イメージ全 10 枚

本田技研工業(ホンダ)は9月8日、GMクルーズホールディングス(クルーズ)、ゼネラルモーターズ(GM)と3社共同で日本で展開予定の自動運転モビリティサービス事業に向け、自動運転技術に関する技術実証を9月中に開始すると発表。同日、オンラインによる説明会が開かれた。

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説明に登壇したのは、昨年4月に設立された本田技研工業モビリティサービス事業本部で本部長を務めつつ、ホンダモビリティソリューションズ(HMS)の代表取締役社長も兼ねる高見聡氏。自動運転モビリティサービス事業の説明に先立ち、まずはそれを担う事業本部、ならびに新会社の役割になど、それぞれの事業について具体的な説明が行われた。

<モビリティサービス事業本部> ホンダは2030年ビジョンとして「すべての人に“生活の可能性が拡がる喜び”を提供する」ことを掲げているが、モビリティサービス事業本部はこのビジョンの実現に向けての新価値、新サービス、新事業の創出発展を担うものとして設立された。ホンダはこれまでモノ作りの会社として、二輪、四輪、汎用エンジンなどを扱うLCの各事業がそれぞれの販売網で展開してきたが、そこには“オールホンダ”という視点が若干薄かった。そこでモビリティサービス事業本部はそれらを統合して迅速なサービスを提供することを目指す。

<ホンダモビリティソリューションズ(HMS)> ホンダの多様なMobilityサービスを企画・運営する会社として、サービス部門を統括するとともに、他社との機動的な連携を実現する会社として設立された。具体的には自動運転モビリティサービス事業を軸に、アセットビジネス、カーシェア事業、ビヨンドMaaS事業に取り組んでいく。企業ビジョンとしては「やがて日常になる未来をあなたと」とのスローガンの下、一歩先を行く未来を顧客と共に作っていくという意味を込めたという。

<自動運転モビリティサービス事業> このサービスの実現に向けては“安全・安心”と“ワクワク”が両立できることが不可欠。ホンダがこれまで取り組んできた乗る人も、乗っていない人も、あるいは乗員も歩行者も、すべての人の安全を目指して取り組んできた“Safety for Everyone”の考えに基づき、妥協することなく安全性を追求していく。そして、その結果として顧客に安心感を提供していくことを目指す。

GMが提供するクルーズ・オリジンが目指す自動運転はレベル4

こうした説明の後、高見氏は、「さらに乗ってみたい、乗って良かったと感じられるようになるにはワクワクとする体験価値を投資することで、初めて事業として成立すると捉えている。足元で取り組んでいく様々な事業のノウハウ、基盤を活用し、2020年代半ばには自動運転モビリティサービスが提供できるようにしたい」と語った。

では、これらの事業を踏まえ、ホンダはどのような自動運転モビリティサービスを目指しているのだろうか。資料によると、そのコンセプトは「一歩先へ、あなたと街に自由とやさしさを」。そのココロは「これまでにない移動空間とサービスを驚きのある発想で提供し、街と人々をあらゆる制限から解放する」というものだ。いかにもホンダらしい意気込み伝わってくるコンセプトだ。

サービスの展開にあたっては、事業パートナー「クルーズ」が提供する自動運転専用車両『クルーズ・オリジン』を使用する。このクルーズという事業パートナーはGMの子会社で、ホンダ以外にマイクロソフトやウォルマート、ソフトバンクの出資を受け、現在、GMの電気自動車『ボルト』を改造した『クルーズAV』で自動運転の走行実験を展開中。すでにクルーズAVは米カリフォルニア州で年間124万kmを走行し、この間、ドライバーの介在は4万5000kmに1回程度と、高い自動運転精度を誇る。

そして、クルーズ・オリジンが目指す自動運転はレベル4であり、「認知」「予測」「判断」「操作」をシステムが代行する高い技術力が必要とする。自動運転車両の拡大は世界レベルでの環境課題などの解決、あるいは地域社会での交通課題の解決など多くのメリットをもたらすが、だからこそ新しい技術によって社会に浸透する第一歩が極めて重要になる。ホンダはそのために、今月より栃木県宇都宮市においてこの自動運転モビリティサービス事業の実証実験を宇都宮市においてスタートさせることにしたわけだ。

自動運転モビリティサービス事業の進捗状況は?

高見氏によれば、この実験を通して「米国での走行性能の高い安全性に加え、日本の交通環境において安全委走行できるように自動運転の適合化を進めていく」とし、具体的には「地図作成車による高精度マップの作成、自動運転車両であるクルーズAVによる公道走行を経て、クルーズ・オリジンの導入へと段階的に進めていく」ことにしているという。

そして、クルーズが蓄積してきた知見に加え、ホンダセンシングに関わったエンジニアも参画し、そこで日本の道路事情にローカライズした安全性を徹底して検証していくことになる。

高精度マップ作成にあたっては、日本の交通環境に合わせた開発を独自に行っていく。これは全国を走行するパーソナルユースの自動運転と違い、地域限定として提供されるモビリティサービスであることが理由。その上で、日米の走行レーンの違い、あるいは道路標識の形状、規制表示などを含め、安全確保と交通ルールの遵守に努めながらリアルワールドで開発を進めていくことになる。

また、このサービスでは将来、クルーズ・オリジンのオンデマンドサービスに加え、ラストワンマイルのマイクロモビリティなどを活用したマルチモーダルな連携も想定。さらには自動配送ロボットといった事業の横展開も視野に入れ、地域に合わせた幅広いサービスへとつなげていくことを検討しているとした。

《会田肇》

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