約100台のトランポをスムーズにさばく…SUPER GT第5戦 密着取材

SUPER GT第5戦 SUGO 搬入風景
SUPER GT第5戦 SUGO 搬入風景全 45 枚

SUPER GT第5戦SUGO GT300kmレースが、宮城県のスポーツランドSUGOで11日より開催される。10日金曜日は搬入日とあり、約100台に及ぶトランスポーターがどのようにしてサーキットに入っていくのかに密着した。

宮城県村田町にあるスポーツランド菅生。サーキット場外にある駐車場にトランポはまず集合する。深夜には駐車場に到着し夜が明けるのを待つ。朝6時に記者が現場に着くとほとんどのドライバーは仮眠をしていた。

7時ごろにはドライバーが集まりはじめ、検温、新型コロナに対する検査結果の確認を行い、入場許可のリストバンドが配られる。そのままブリーフィングが行われ、1コーナー側と最終コーナー側の端っこに止めるトランポの入場手順、機材だけを先に降ろすトランポの入場手順などが説明され、いよいよサーキット場内に向けて入場が始まる。一気に全車が移動する訳ではなく、数台ずつ呼び出されて移動していく。

スポーツランド菅生のパドックの端から順々に搬入を開始するが、そこでの位置決めをスムーズに行わないと、その横に止めるトランポが渋滞していってしまうので、大まかでも良いのでサッと位置決めをした方が全体がスムーズにいきそうだ。

機材だけを積んだトランポはなるたけ早く機材を下ろし、別の駐車場に移動していく。その後、パドックに留め置きとなるトランポの入場が始まる。これらの車両は3日間留め置かれること、チームの顔でもあり前線基地になる訳なので、きっちり止める。

各チームに割当られたスペースは同一だが、そのスペース内にトランポを1台止めるのか2台止めるのか、どうスペースを使うかはチーム次第だ。2台止めればその分テントなどを設置するスペースは限られる。

チームのトランポが全部収まるまでおよそ3時間を要したが、どの会場でもそのくらいの時間が掛かるそうだ。その後にGT500のトヨタ・日産・ホンダのメーカー系トランポ、アウディやニスモGT3のカスタマーマシンをサポートするトランポが入場し、パドックはトランポで埋まった。

これらを仕切るのが、GTアソシエーションのパドック管理を行う小池龍重氏だ。トランポのドライバーをしていた経験を持ち、SUPER GTが創設されてからずっとパドック管理をしている。

小池氏自身がドライバーだったこともあり、現在搬入を行うドライバーからも信頼も厚い。位置決めの時に厳しい言葉が飛ぶ時もあるが、ドライバーはどのような意味合いで注意が飛んでいるのかも理解しているという。

パドックの端から駐車していくため、真ん中あたりのチームのトランポは一番最後の搬入となる。待ち時間は長くなってしまうが、毎戦ピット割りは変更されるので、特定のチームが毎回遅くなることは避け、なるたけ平等になるような配慮も行っているそうだ。

トレーラーやトラックの長さはそれぞれ違うが、後ろ側の位置をビシッと揃えるとトランポが綺麗に収まる。そうすることでパドックが整理されて綺麗になるところも気にかけていると言う。

待ち時間にトランポのドライバー数人に話を伺った。国内のサーキットでは今回のスポーツランドSUGOや岡山国際サーキットは狭いので、それなりのテクニックを使うが、意外に大変なのは鈴鹿サーキットで、ピットの前にパドックスイートの部屋があるので、前後に動かす距離が短いので苦労するそうだ。

しかし同じサーキットに何回も行くので、慣れればそれほど苦労はしないという。ツインリンクもてぎのトンネルもトランポの搬出で壁に当たりそうと話題になるが、慣れれば意外と簡単にいけるそうだ。

現在コロナ禍で観客はパドックに入ることは出来ないが、今後入れるようになったら、ドライバーの駐車テクニックはもちろんだが、綺麗に並べることにも配慮されているところにも注目してほしい。

《雪岡直樹》

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