レンタカーにタブレット搭載、コンシェルジュサービス提供…NTTデータが開発

車内の端末設置イメージ
車内の端末設置イメージ全 4 枚

NTTデータは、新たな移動体験の実現に向けて、レンタカー旅行者向けコンシェルジュサービスを開発。オリックス自動車、JTBコミュニケーションデザインと行った実証実験で有用性を確認し、実用化に向けて検討を開始した。

このコンシェルジュサービスでは、助手席や後部座席に専用タブレット端末を設置する。画面の動画ではマスコットキャラクターが旅行案内人となり、利用者の嗜好に合わせた周辺おすすめスポットの提案、目的地の飲食店や商業施設の営業時間、おすすめ商品などの情報提示、行きたい場所リスト保存・ルート作成、ドライバーのスマートフォンへのナビゲーション自動連携などを行う。

NTTデータは、さまざまな事業者との連携により移動自体の意味を再定義することを目指す「モビリティコマースサービス」の構想を掲げている。モビリティコマースサービスが実現する移動体験は、個人の嗜好に合わせた周辺情報のガイドやエンタメなどをレコメンドし、目的地の利用予約も行うなど、消費者にとってシームレス・フリクションレスであることをコンセプトとしている。

オリックス自動車は、観光時の移動手段として利用される、レンタカー・カーシェア体験そのものの価値向上、多様化・細分化が進む移動ニーズへの対応や消費者接点の新規事業への活用を検討していた。JTBコミュニケーションデザインは、自動車ユーザーへの最適でリアルタイムかつ、ワクワクする手法での観光コンテンツ提供の在り方を検討。そこでNTTデータのモビリティコマースサービス構想に参画する形で、3社でレンタカー旅行者向けサービスのプロトタイプを開発し、実証実験を行った。

今年2月に実施した実証実験では、都内近郊で本サービスのプロトタイプが設置されたレンタカーに乗車し検証を行った。

その結果、実証実験の参加者のうち、レンタカーのオプションとして本サービスがあった場合に59%が「利用したい」、35%が「やや利用したい」と回答した。また、レンタカーを借りる際に、他の条件が同じと仮定した場合に本サービスのあるレンタカー事業者を優先的に選ぶと回答した割合は94%。総じて、参加者の9割以上が本サービスの利用について前向きな結果となった。レンタカーのオプション料金として本サービスを利用すると仮定した場合も、参加者の94%が300円~1500円の範囲内であれば利用したいという結果に。課金意向についてサービスの実用化に向けて十分に高い結果が得られた。

今後、3社をはじめ各事業者と機能追加やビジネスモデルの検討を行い、2022年度中に観光地でのサービス提供開始を目指す。将来的には、レンタカー・カーシェアに加えて完成車メーカー・部品メーカーへの導入も検討。サービス事業者については、観光をはじめ商業施設などの小売り、エンターテインメント、金融など、モビリティ分野での新規事業を検討する企業や自治体などと幅広く連携していきたいとしている。

《纐纈敏也@DAYS》

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