VW マルチバン 新型、初のPHVを設定…生産開始

水平基調のデザインに歴代モデルのDNAを継承

スライド式センターコンソールは格納式テーブルとして利用可能

PHVシステム全体のパワーは218ps

ドイツ・ハノーバー工場で生産が開始フォルクスワーゲン・マルチバン 新型のPHV「eハイブリッド」
ドイツ・ハノーバー工場で生産が開始フォルクスワーゲン・マルチバン 新型のPHV「eハイブリッド」全 13 枚

フォルクスワーゲンは10月6日、新型『マルチバン』(Volkswagen Multivan)の生産を、ドイツ・ハノーバー工場で開始した、と発表した。

水平基調のデザインに歴代モデルのDNAを継承

フォルクスワーゲン・マルチバン 新型フォルクスワーゲン・マルチバン 新型5世代目となるマルチバンの新型は、歴代モデルのDNAに敬意を表して、水平基調のデザインを採用する。その上で、ワイドなグリルとスリムなヘッドライトを備えた新しいエクステリアデザインを導入した。Aピラーは視認性を向上させるデザイン。最初の3世代がリアに空冷エンジンを搭載していたことに敬意を示して、フロントのエアインテークはボディ同色で塗装された。

新型のボディサイズは、全長4973mm、全幅1941mm、全高1903mm、ホイールベース3124mm。 全長5173mmのロングバージョンも用意する。従来型に対して、ホイールベースは長く、全高は低くなった。エアロダイナミクスを改善することにより、燃費性能を高め、航続を延ばすように設計されている。

新型マルチバンには、LEDヘッドライトが標準装備されている。オプションで「IQ.LIGHT」が用意されており、「LEDマトリックスヘッドライト」は、対向車のドライバーを幻惑させることなく、コーナリング中でも明るく前方を照射する。IQ.LIGHTシステムは、デイタイムランニングライト機能として、フロントグリルに照明付きLEDラテラルバーが装備されている。

スライド式センターコンソールは格納式テーブルとして利用可能

フォルクスワーゲン・マルチバン 新型フォルクスワーゲン・マルチバン 新型新型マルチバンのインテリアには、新開発のモジュール式軽量シートと革新的なテーブルが採用された。前席と後席の間をスライドするセンターコンソールを装備する。このスライド式センターコンソールは、後席での使用時には、格納式テーブルとしても機能する。このコンソールは高さ調節が可能で、3つのカップホルダーが備わる。

新型は3列シートを備えており、最大7名が乗車できる。2列目と3列目のシートは、従来型に対して最大25%軽量化されており、脱着が可能だ。2列目シートは180度回転して、対面レイアウトにできる。3列目シートは、従来のベンチシートから独立3座シートに置き換えられ、1脚ずつ取り外しすることが可能だ。

従来型のハンドブレーキは廃止され、新型では電動パーキングブレーキを採用した。トランスミッションは、シフトバイワイヤーによって制御される「DSG」のみ。

シフトレバーはスイッチに置き換えられ、インストルメントパネルに配置された。これにより、乗員スペースが拡大している。新型マルチバンは、3列目シートの後ろに469リットルの荷物スペースを確保した。3列目シートを取り外せば、1844リットル(パノラマガラスルーフ装着車で1850リットル)に拡大する。

PHVシステム全体のパワーは218ps

フォルクスワーゲン・マルチバン 新型フォルクスワーゲン・マルチバン 新型新型マルチバンは、フォルクスワーゲングループの「MQB」プラットフォームをベースに開発された。歴代マルチバン、そして、フォルクスワーゲンの商用車モデルで初めて、プラグインハイブリッド車(PHV)の「eハイブリッド」が設定されている。

新型マルチバンのeハイブリッドのPHVパワートレインは、エンジンが直噴1.4リットル直列4気筒ガソリンターボ「TSI」で、最大出力150psを発生する。モーターは、最大出力115ps。エンジンとモーターを合わせたPHVシステム全体で、218psのパワーを引き出す。トランスミッションは6速DSG。EVモードでは、サイレントなゼロエミッション走行を可能にしている。

二次電池は、蓄電容量13kWhのリチウムイオンバッテリーだ。新型マルチバンのフラットなフロアの下に搭載される。これにより、室内スペースを犠牲にせず、車両の重心を下げて、ハンドリング性能を追求した。充電ソケットは、フロントフェンダーの右側に配置されている。

新型の生産では自動化率を93%に引き上げ

ドイツ・ハノーバー工場で生産が開始フォルクスワーゲン・マルチバン 新型ドイツ・ハノーバー工場で生産が開始フォルクスワーゲン・マルチバン 新型新型マルチバンの生産準備は、ハノーバー工場の新しい製造施設の建設と並行して行われた。新型コロナウイルスの感染拡大と、半導体などの一部部品の供給不足という問題にもかかわらず、新型マルチバンの生産は予定通りに開始されたという。ハノーバー工場では、新型マルチバンのPHVもラインオフした。

ハノーバー工場では、自動化とデジタル化戦略を進めている。例えばプレス工程では、従来型の製造プロセスでの自動化の割合は約77%だった。新型マルチバンでは、これを93%に引き上げた。

製造ロボットのモニタリングは、1か所から複数の工程を一括して管理する。スマートウォッチなどのデジタルデバイスによって、製造ロボットと接続された。部品交換やメンテナンスの必要性が事前に報告されるため、ダウンタイムを回避できるという。

塗装工程には現在、新しい2色システムが導入されている。ここで、新型マルチバンは人気の高いツートンカラーに仕上げられる。また、部品の自動輸送システムにより、組み立てプロセスの効率が向上。工場内の自動運転車が、組立ラインに直接部品を運ぶ、としている。

《森脇稔》

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