GMの「ウルトラクルーズ」、走行状況の95%でハンズフリー運転…米国発表

GMの新世代ソフトウェアプラットフォーム「アルティファイ」がベース

スーパークルーズで使用されているHMIをベースに開発

2023年にGMの一部ラインナップに設定される予定

GMの「ウルトラクルーズ」のイメージ
GMの「ウルトラクルーズ」のイメージ全 6 枚

GMは10月6日、新しい先進運転支援システム(ADAS)の「ウルトラクルーズ」を米国で発表した。すべての走行状況の95%で、ハンズフリー運転を可能にするように設計されている。

ウルトラクルーズは、米国とカナダの延べ200万マイル以上の道路をカバーする。ウルトラクルーズを利用すれば、高速道路だけでなく、市街地や舗装された田舎道など、ほぼすべての道路をハンズフリーで移動できるという。

GMのハンズフリー先進運転支援システムには「スーパークルーズ」がある。今後GMは、量販車向けにスーパークルーズ、プレミアムエントリー車向けにウルトラクルーズを設定していく。

GMの新世代ソフトウェアプラットフォーム「アルティファイ」がベース

ウルトラクルーズは、GMの新世代ソフトウェアプラットフォーム「アルティファイ」と、スケーラブルなコンピューティングアーキテクチャ「Vehicle Intelligence Platform」をベースにしている。ウルトラクルーズは無線更新を通じて、新しい機能やサービスを追加することができる。

アルティファイでは、無線通信を経由してデータを送受信することによって、ソフトウェアで定義された機能やアプリ、サービスなどをシームレスに顧客に配信できるようになる。これにより、より多くのクラウドベースのサービスや迅速なソフトウェア開発、顧客ロイヤリティ向上への寄与など、新たな可能性が広がることになるという。

ウルトラクルーズは、スーパークルーズにはない新しい自動運転機能を備えている。例えば、新開発のディスプレイを通じて、システムの利用経験に基づいた情報をユーザーに提供する。また、自動での車線変更や右左折、障害物との衝突の回避、駐車支援も行う。このシステムは、車両の周囲を360度認識する機能も備えている。

スーパークルーズで使用されているHMIをベースに開発

ウルトラクルーズは、カメラ、レーダー、LiDARを組み合わせて作動する。ウルトラクルーズでは、フロントガラスの後ろにLiDARを組み込んでいる。

ウルトラクルーズの重要なコンポーネントが、ヒューマン・マシン・インターフェイス(HMI)だ。このインターフェイスを通じて、システムはドライバーに情報を提示し、ドライバーが車両を制御する必要がある場合には、それを通知する。現在スーパークルーズで使用されているHMIをベースに開発されたウルトラクルーズのHMIは、ドライバーとシステムが同じものを認識していることを示すという。

搭載車両の主要なHMIが「ウルトラクルーズ・ダイナミックディスプレイ」だ。これは、ドライバーの視線に直接表示されるフリーフォームディスプレイで、ドライバーが前方の道路に集中できるように設計されている。

2023年にGMの一部ラインナップに設定される予定

ウルトラクルーズのHMIは、ハンズフリー走行から、ドライバーがステアリングホイールを握る手動運転に切り替える準備を支援する。スーパークルーズのドライバーアテンションカメラシステムは、ウルトラクルーズにも採用されている。またGMは、駐車時のみウルトラクルーズ搭載車の車載ディスプレイに表示される「ウルトラクルーズアプリ」も開発中だ。

ウルトラクルーズは、2023年にGMの一部ラインナップに設定される予定だ。最初にこの新技術を導入するブランドは、キャデラックになる。なおGMは、ウルトラクルーズやスーパークルーズを使用する時は、ドライバーは常に注意を払う必要がある、としている。

《森脇稔》

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