【ネクセンタイヤ WINGUARD ice2 試乗】タテとヨコのグリップバランスが良いスタッドレスタイヤ…橋本洋平

ネクセンタイヤ WINGUARD ice2 インプレッション
ネクセンタイヤ WINGUARD ice2 インプレッション全 24 枚

最近、日本で活動を始めているネクセンタイヤ。安価で手を伸ばしやすいことはもちろん、近年では新型車の純正装着タイヤとして採用されるなど、信頼性も出てきたことが選ばれる理由なのだろう。

私が参加していた86/BRZレースにもオフィシャルパートナーとして名を連ねていたこともあり、気になっていたメーカーである。

世界で17の自動車メーカーが純正採用する「ネクセンタイヤ」

そんなネクセンタイヤは、フォルクスワーゲン、ポルシェ、三菱、フィアットにも純正採用されるという実績を持つ。今では世界で17の自動車メーカーが純正採用している。新車装着タイヤを納められるのは世界のタイヤメーカーでも一握りであり、優れた性能と品質の証明といえよう。ちなみに純正採用タイヤもリプレイスタイヤも仕様は変えないというのがネクセンタイヤのモットーだというから、品質に疑う余地はない。工場設備に対する投資も余念がなく、フルオートメーションでハイレベルな品質を安定させているというから安心だ。

多くの自動車メーカーにタイヤを供給している多くの自動車メーカーにタイヤを供給している
さらに、ネクセンタイヤには歴史もある。創業は1942年であり、80年代後半にはミシュランタイヤと提携。ミシュランタイヤ・コリアを設立し、技術提携生産を開始。その後はオーツタイヤ(現住友ゴム工業 ファルケン)と技術提携した過去もある。その後2000年にネクセンタイヤに社名変更し現在に至るのだが、2016年からは豊田通商とのジョイントベンチャーとしてネクセンタイヤジャパンが発足。こちらもまた安定した供給を実現する体制が整っているのだ。その一方でモータースポーツに対する挑戦も続けており、私が2019年シーズンまで参戦していたGAZOO Racing 86/BRZ Raceにも参戦。極限におけるタイヤテストも怠らない。

今回はそんなネクセンのスタッドレスタイヤを試す。これもまた極限への挑戦だろう。0度付近で氷が解け始め、そこに浮く水によって滑りやすい路面が点在するという日本の道路環境で、どれほどの実力を示すのか?ここが一番の関心事。日本のスタッドレスタイヤをベンチマークに開発が行われてきたというその仕上がりに注目だ。

3つの技術で氷雪路での確かな走りをサポートする「WINGUARD ice2」

ネクセンタイヤ WINGUARD ice2 インプレッションネクセンタイヤ WINGUARD ice2 インプレッション
試走することになったのは、WINGUARD ice2(ウインガードアイス2)である。このスタッドレスタイヤは13インチから18インチまでの全32サイズをラインアップ。今回はトヨタのミニバン・NOAHに195/65R15 91Tサイズを装着する。この時点でお気づきの方もいるだろうが、速度レンジがTとなっていることが特徴のひとつ。日本メーカーのものはQが多く時速160キロまで許容するものが多いが、WINGUARD ice2はTであり、時速190キロまで許容する。

ネクセンタイヤ WINGUARD ice2 インプレッションネクセンタイヤ WINGUARD ice2 インプレッション
トレッドパターンは非対称を採用。イン側は横溝を主体とし、雪上でのトラクション性能を確保。アウト側は大き目のブロックを採用することでコーナーリング性能を出そうと狙っている。センターリブは二つに分かれ、ひとつはブロックが細かくなっているが、全体的に見ればリブ基調となり、接地面をできるだけ確保しようという狙いが読み取れる造りだ。細かく刻まれるサイプには荷重がかかった時に、隣り合ったサイプが噛み合いながら支え合うことで、接地面を安定させる3Dサイプを採用。特殊ポリマーシステムがポイントとなるアドバンスド・ソフトコンパウンドを新たに開発し、低音域の柔軟性と高温期にゴムの剛性を両立することで、氷雪路に置けるブレーキング性能を向上させているそうだ。

高速道路のレーンチェンジでもシッカリとした剛性感

そんなWINGUARD ice2を装着したNOAHで走り出す。まずは都内から福島までの乾燥路における印象だが、走り始めて感じることは、インターチェンジなどのコーナーリングや、素早いレーンチェンジなどで荷重がしっかりとタイヤに乗るようなシーンで、スタッドレスタイヤの割にシッカリとした感覚が得られたということだ。スタッドレスタイヤというと、腰砕けのようになりがちで、特にミニバンに装着した場合は横風や轍などの外乱をきっかけにしたフラつきが気になることが多いが、このタイヤにはそのような感覚が少ない。

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非降雪地域に在住で雪道までの距離が長いというユーザーにとっては、これは安心感に繋がるのではないだろうか?日本ではリアルに必要ない速度レンジの高さを持つタイヤだが、実はこんなところにメリットがあるのだ。もちろん、スタッドレスタイヤであるし、特にセンターリブを二分割にしていることから、ステアリングセンター付近の甘さはあるが、荷重がいざ乗ればきちんと受け止める、そこがWINGUARD ice2のメリットのひとつだと感じた。

安心のストッピングパワーとコントロール性に長けたスタッドレスタイヤ

ネクセンタイヤ WINGUARD ice2 インプレッションネクセンタイヤ WINGUARD ice2 インプレッション
福島県の南会津に入りスノー路面にようやく遭遇する。ロケをした当日は比較的暖かく、凍っていた路面はとけ始めているという難しいコンディションだった。だが、そんなシーンでもストッピングパワーはなかなか頼りがいがあり、狙ったところで止まれる感覚に優れているから安心だ。初めてのネクセンタイヤ 試乗ということもあり疑心暗鬼だったというのが正直なところだが、これなら不安な雪道でも安心して走ることが出来る。

ネクセンタイヤ WINGUARD ice2 インプレッションネクセンタイヤ WINGUARD ice2 インプレッション
一方のトラクション方向もきちんとしたグリップが得られ、ホイールスピンが簡単には始まらない。見どころだったのは縦方向と横方向のグリップバランスが適切で、極端に性能変化が出ないことだった。ブレーキングから旋回までのクセのない特性は扱いやすく、例えば旋回中に滑り出したとしても、それが感じ取りやすくリカバリーが容易だった。コントロール性に優れるスタッドレスタイヤといえるだろう。

ネクセンタイヤ WINGUARD ice2 インプレッションネクセンタイヤ WINGUARD ice2 インプレッション
はじめは輸入ブランド+スタッドレスという組み合わせに対して懐疑的であったが、その性能を実感した今では、それが間違いだったことに気づく。同じ環境で試していないためハッキリとしたことは言えないが、性能的には日本のスタッドレスタイヤと肩を並べる位置まで来たのではないだろうか。その上、価格も抑えられているため、コストパフォーマンスに優れたスタッドレスタイヤと言えるだろう。

ネクセンタイヤ WINGUARD ice2 インプレッションネクセンタイヤ WINGUARD ice2 インプレッション
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橋本洋平│モータージャーナリスト
学生時代は機械工学を専攻する一方、サーキットにおいてフォーミュラカーでドライビングテクニックの修業に励む。その後は自動車雑誌の編集部に就職し、2003年にフリーランスとして独立。走りのクルマからエコカー、そしてチューニングカーやタイヤまでを幅広くインプレッションしている。2019 GAZOO Racing 86/BRZ Race クラブマンシリーズ エキスパートクラスでシリーズチャンピオンを獲得。AJAJ・日本自動車ジャーナリスト協会会員。

《橋本洋平》

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