貴族の館の庭園のような公園とクラシックカーの競演…ブリティッシュクラシックカーミーティング2021

MG ミジェットやB
MG ミジェットやB全 16 枚

ブリティッシュクラシックカーミーティング2021が10月10日、名古屋市の鶴舞公園(愛知県名古屋市昭和区)において開催された。主催は公益財団法人名古屋市みどりの協会鶴舞公園事務所で、名古屋MGカークラブが協力して行われた。

【画像全16枚】

2015年に初開催後、昨年はコロナ禍により中止されたので今回で6回目の開催となるブリティッシュクラシックカーミーティング。その名の通りイギリス車がメインで、最も古い1929年式のモーガン『エアロ3ホイラー』をはじめ36台が展示された。

その会場となった鶴舞公園は、明治42(1909)年に名古屋市が設置した最初の公園として開園。和洋折衷の公園でフランス整形庭園と日本庭園などがあり、今回展示車両が並べられた噴水塔とヒマラヤスギの並木は公園のひとつの見どころのひとつ。ここはフランス整形庭園と呼ばれるもので、17世紀に世界的に流行したものという。フランス整形式庭園とは、広いところに一本軸線を通して左右対称幾何学模様の庭園を指したものだ。その後、18世紀に入るとイギリス風景式庭園が流行った。こちらは直線ではなくいかに自然に見せるかということを主眼に作られたもので、大きく見え方が違っている。

フランス整形式庭園にイギリス車がなぜ似合うのか。鶴舞公園・名古屋市緑化センター所長の佐々木辰夫さんは次のように解説する。「イギリス風景式庭園時代でも、屋敷の周りはフォーマルガーデンとしてフランス整形式のようにきちんと軸線を通して左右対称に作られていた。そして屋敷から離れるに従って自然風のイギリス風景式庭園が広がっていった」とその当時の状況を説明。そして、「貴族やその友人たちのクルマが並んだのはその屋敷の周りのフランス整形式のフォーマルガーデン。従ってまさに今回展示しているエリアはそういったイメージがある場所」と述べ、英国車がマッチしているのはその時代とあまり変わらない情景がその理由だとした。

実は鶴舞公園のフランス整形庭園の基本軸は園内だけにとどまっていない。「鶴舞公園正面の道路をしばらく行った大須上前津からスタートし、そこからまっすぐ伸びてこの公園にそのまま入っている。つまり都市の軸線が公園の基本軸になっている」と佐々木さん。「明治時代にそういったコンセプトに基づいて作られた並木道なのである」とのことだった。

開催当日は幸いにも快晴に恵まれ、公園には多くの来園者が訪れていた。毎回楽しみにしているという方々だけでなく、たまたま通りかかったらクラシックカーが並んでいたと子供連れで楽しそうに記念撮影をする姿も多く見かけられた。

いまの時代、なかなか大規模なイベントの開催は難しい。しかし感染対策をしっかりとしたうえで、屋外でさらっとクルマを並べて通りすがりやお散歩中の人たちも楽しめるような気軽さとともに、実はその内容は前述の通り公園の背景をしっかりと踏まえた展示が為されていることから、誰もが楽しめ、かつ、奥深いイベントであった。これからも多くの来園者が楽しめるイベントとして継続してもらいたいと感じた。

《内田俊一》

内田俊一

内田俊一(うちだしゅんいち) 日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かしデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。保有車は車検切れのルノー25バカラとルノー10。

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