国土交通省は10月26日、運輸分野でのカーボンニュートラル実現に向けて、水素・燃料電池の活用拡大策を検討すると発表した。
2050年カーボンニュートラルの実現や、2030年度温室効果ガス2013年度比46%削減目標に向け、脱炭素化エネルギーとして水素が注目されている。今年10月に閣議決定されたエネルギー基本計画では、運輸部門の脱炭素化に向けて、燃料電池車の導入拡大に加え、燃料電池も活用できる船舶、燃料電池鉄道車両への用途拡大に向けた技術開発、実証などが盛り込まれている。
運輸分野で利用される水素エネルギーの貯蔵・供給等を図る手段の一つとして、水素タンクが注目され、既に乗用車では実装されているものの、他の運輸分野への用途拡大は技術面、コスト面、制度面からの様々な課題がある。
このため、日本におけるCO2排出量の約2割を占める運輸分野で、まず燃料電池トラック・バス、港湾荷役機械、燃料電池フォークリフトや小型船舶、鉄道車両、航空機など、輸送機材への水素タンクの利活用の拡大を推進する。
具体的には、官民が情報を把握・共有し、技術的課題を整理していくとともに、具体的な解決策を検討するための官民プラットフォームとして「運輸分野における水素・燃料電池等の利活用の拡大を目指した技術検討会」を新設する。官民が連携して情報を共有しながらソフト面・ハード面における技術的な課題を整理していく。
検討会は10月29日に開催予定。
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