いまさら聞けない、「高速道路」と「自動車道」の違いって何?

高速自動車国道に分類される東名高速
高速自動車国道に分類される東名高速全 3 枚

都市部の高速道路で、低い速度制限や渋滞で「どこが高速だよ!」と毒づいたこと、はじめての土地で「100km/h出していいんだっけ?」と不安になったことはないだろうか。そんな苛立ちや不安は、道路の分類を明確に把握すると、多少は薄らぐかもしれない。

国が道路法で定める「道路」は、高速自動車国道、一般国道、都道府県道、市町村道の4種類。このうち、高速自動車国道がいわゆる高速道路で、本線の法定速度は上限が100km/h、下限が50km/hと規定される。ただし、路線ごとに設定される設計速度に基づいて、警察と公安委員会が制限速度を設定する。京葉道路などの自動車専用道路も高速自動車国道ではなく制限速度なども異なる京葉道路などの自動車専用道路も高速自動車国道ではなく制限速度なども異なる

なかでも、1960年代にいち早く開通した名神高速道路と東名高速道路は、整備計画中に「高速」という呼び方が広く知られため、名称にも取り入れられた。また、それぞれのバイパスにあたる新名神/新東名も高速道路を名乗っているが、これはいわば例外。それ以外は東北自動車道や九州自動車道のように、自動車道という呼び名を使うことが一般的だ。

いっぽう、首都高速や阪神高速は、高速自動車道には含まれない。これらは都市高速道路と呼ばれ、全国に6カ所存在(首都/名古屋/阪神/広島/北九州/福岡)。大都市圏の交通円滑化が目的で、ごく一部の例外を除けば都府県道か市道だ。これも制限速度は路線により異なるが、設計速度の上限は80km/h。本格的な高速道路よりペースが遅いのは、大目に見ようではないか。
都市高速と呼ばれる首都高だが高速自動車国道には分類されない都市高速と呼ばれる首都高だが高速自動車国道には分類されない

このほかにも、高速道路のような自動車専用道路は各地に存在する。これらは主に、混雑する国道のバイパスや、高速道路完成までの場つなぎ区間で、~バイパスや~道路と命名されることが多い。有料道路がほとんどだが、箱根新道のように、料金徴収期間を終えて無料開放されることもある。制限速度は60~80km/hが多いが、高速道路との接続を想定して100km/hとされている路線も見られる。

さらに、一般国道だが有料の自動車専用区間を含む指定区間というものも。首都圏では、国道1号のバイパスである横浜新道がそれにあたる。

と、日常的に「高速」と呼ぶような道路でも、厳密にいえばさまざまな分類がある。たとえば筆者は幕張メッセで取材した際、京葉道路・首都高・中央道を使って帰宅したが、これは自動車専用道路・都市高速・高速自動車国道を経由したことになる。ETCでのノンストップ化に慣れると、路線を乗り継ぐ意識が希薄になりがちだが、くれぐれも速度違反にはご注意を。

《関耕一郎》

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