キッチンカーで地方の街おこし…秋田でトヨタ販社とメロウの試み

店舗型モビリティの停留所 SHOP STOP秋田(10月26日):向かって左から、高梨商店の松本代表、TSAグループの伊藤社長、メロウの石澤代表取締役、損害保険ジャパン名古屋自動車開発部の鷲辺 秀宣部長
店舗型モビリティの停留所 SHOP STOP秋田(10月26日):向かって左から、高梨商店の松本代表、TSAグループの伊藤社長、メロウの石澤代表取締役、損害保険ジャパン名古屋自動車開発部の鷲辺 秀宣部長全 16 枚

秋田県のトヨタ自動車ディーラー、トヨタカローラ秋田・秋田トヨペット(TSAグループ)は、店舗型モビリティを活用し、地域コンテンツの創出を通じた街おこしを開始した。10月26日に、秋田市の工業団地において、キッチンカーの定期出店を開始した。

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この事業でTSAグループは、日本最大級のモビリティビジネス・プラットフォーム「SHOP STOP」を展開するMellow(メロウ)と連携した。メロウの持つ店舗型モビリティの運営ノウハウ、配車管理システムなどのプラットフォーム基盤を活用し、TSAグループは秋田での店舗型モビリティの普及を図る。

トヨタカローラ秋田・秋田トヨペットの伊藤哲充代表取締役社長は、この事業はモビリティ社会をめざす一環だという。「モビリティ分野において、人、サービス、モノを運ぶ。必要な人に必要な時に必要なものが届くことをお手伝いしたい。その手段の一つとしてキッチンカーをスタートした」と説明する。

最初の取り組みとして10月26日より、秋田市にある損害保険ジャパンのコールセンター(CRファクトリー)にて、キッチンカー定期出店の仕組みを運用開始し、「店舗型モビリティの停留所 SHOP STOP秋田」の営業をスタートした。東北では初のSHOP STOPとなる。

メロウの石澤正芳代表取締役は、店舗型モビリティは大都市でしか通用しないビジネスモデルではない、という。「秋田県は、人口減少率も高く、社会課題が早くに多くなっていくエリアだ。だからこそ地場の企業と一緒にチャレンジして、さらに同じ課題を持つ他の地域でも、店舗型モビリティにより社会課題を解決したい」と考える。

いっぽうキッチンカーの出店先である、損害保険ジャパン、カスタマーコミュニケーション企画部、秋田カスタマーセンター室の内田琢磨センター長は、「工業団地では飲食店の数が限られているので、食の選択肢が増えるのはありがたい。自分たちでキッチンカーを手配したこともあったが、良い売り上げが続かなかった。SHOP STOPの仕組みを通じて、出店の仕組みやメニューなどを調整してもらえるのは、出店事業者にとってもスペースを貸す側にとっても助かる」と期待する。

10月26日に出店した事業者、高梨商店(高ははしご高)の松本さとり代表は、キッチンカーの経験は長く、東京で出店していたこともある。事業者にとって平日出店の利点を次のように話す。

「キッチンカーなら全国どこでもできる。ただ、土日のイベント出店は、例えば100万円分用意して10万円分しか売れないこともあるから、安定した収入を得られる平日の出店が大事だ。ランチでの収入は安定に貢献できる。定期的な出店ができれば客との結びつきが強まり、イベントに遊びに来てくれたり、平日でも予約で10個、20個という注文が入ったりすることもある」

さらに「キッチンカーと店舗を併用して運営する場合は、夜の店舗営業に差し支えが出ない時間にキッチンカーを出店する。ランチタイムのように短時間で多くを売るモデルなら、例えば主婦のパートタイムなど、始めやすいと思う」ともいう。

《高木啓》

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