【ホンダ オデッセイ 最終試乗】久しぶりに試乗してわかった「VIPミニバン」としての魅力…九島辰也

生産終了のオデッセイに最終試乗

ファーストクラスとはこのことだ

高速移動用「VIPミニバン」

ホンダ オデッセイ e:HEV アブソルートEX
ホンダ オデッセイ e:HEV アブソルートEX全 30 枚
◆生産終了のオデッセイに最終試乗

ホンダ オデッセイ e:HEV アブソルートEXホンダ オデッセイ e:HEV アブソルートEX
久しぶりにホンダ『オデッセイ』のステアリングを握った。狭山工場の閉鎖に伴い生産が終了してしまうのは皆さんもご存知の通り。その意味ではなかなかレアな機会かも知れない。クルマはデビューは華やかでも最後は人知れず迎えられるのだ。

今回試乗したのは「e:HEV アブソルートEX」。お馴染みのハイブリッドである。昨年マイナーチェンジしたことで、e:HEVと言うホンダが売り出し中の最新ワードがつけられた。基本的にガソリンエンジンを発電機として使う2モーターハイブリッドシステムである。

もちろん、主流はこちらだが、最後となると2.4リットル直4ツインカム i-VTECのガソリンエンジン車も走らせてみたくなるのが人の性。この際だからともに終了が決定している『レジェンド』、『クラリティ』とともに試乗する機会があると嬉しい。

◆ファーストクラスとはこのことだ

ホンダ オデッセイ e:HEV アブソルートEXホンダ オデッセイ e:HEV アブソルートEX
それはともかく、久しぶりのオデッセイはなかなかいい。フロアの低さは乗り降りしやすいし、それでいてキャビンも申し分なく広い。しかも、今回は2列目シートを一番後ろまでスライドさせ王様気分を味わった。ミニバンを購入する一般的な環境でこんな使い方は多くはないだろうが、クセになるくらいいい。ファーストクラスとはこのことだ。

そうそう、手をかざして開閉できるパワースライドドアもこのクルマにはついていた。

ただ、乗り心地を求めるとそこはフツー。慣れればそうでもないが、走り出しは硬く感じた。ここにしなやかさが加われば申し分ない。サスペンションストロークを伸ばすスペースが取れればいいのだが、そうでなければ17インチの方がベターかも知れない。

◆高速移動用「VIPミニバン」

ホンダ オデッセイ e:HEV アブソルートEXホンダ オデッセイ e:HEV アブソルートEX
ドライビングも悪くない。低速ではいたってジェントルだが、速度域を上げていくとホンダらしいキビキビした走りを楽しめる。これだけの空間を一つの塊としてステアリングで操れるのはさすがだ。また今回は高速道路での移動がほとんどだったので、直進安定性も目立った。ACCを含め安心材料は多い。低重心のメリットはこう言うところに出てくるのであろう。

と言うことを鑑みると、ミニバンをVIP用に高速移動をメインに使うとなるとこのクルマはいい働きをしてくれると思う。現行型はフロントマスクも立派になり、威厳を感じる。社用車向けと言うことなのだろうか。いずれにせよ惜しまれるのは確か。長い歴史を持つクルマだけにお世話になった方は多くいらっしゃることであろう。

ホンダ オデッセイ e:HEV アブソルートEXホンダ オデッセイ e:HEV アブソルートEX

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★
オススメ度:★★★★

九島辰也|モータージャーナリスト
外資系広告会社から転身、自動車雑誌業界へ。「Car EX(世界文化社 刊)」副編集長、「アメリカンSUV(エイ出版社 刊)」編集長などを経験しフリーランスへ。その後メンズ誌「LEON(主婦と生活社 刊)」副編集長なども経験する。現在はモータージャーナリスト活動を中心に、ファッション、旅、サーフィンといった分野のコラムなどを執筆。また、クリエイティブプロデューサーとしても様々な商品にも関わっている。趣味はサーフィンとゴルフの"サーフ&ターフ"。 東京・自由が丘出身。

《九島辰也》

九島辰也

九島辰也|モータージャーナリスト 外資系広告会社から転身、自動車雑誌業界へ。「Car EX(世界文化社 刊)」副編集長、「アメリカンSUV(エイ出版社 刊)」編集長などを経験しフリーランスへ。その後メンズ誌「LEON(主婦と生活社 刊)」副編集長なども経験する。現在はモータージャーナリスト活動を中心に、ファッション、旅、サーフィンといった分野のコラムなどを執筆。また、クリエイティブプロデューサーとしても様々な商品にも関わっている。趣味はサーフィンとゴルフの“サーフ&ターフ”。東京・自由が丘出身。

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