トヨタ 近執行役員「中古価格上昇など実力以上も」…第2四半期営利最高、通期も上方修正

トヨタRAV4プライム(北米仕様)
トヨタRAV4プライム(北米仕様)全 4 枚

トヨタ自動車が11月4日にオンラインで発表した2022年3月期の第2四半期(4~9月期)連結決算は、世界での生産が停滞したものの販売努力や円安効果などにより、営業利益は1兆7474億円(前年同期比3.36倍)と、過去最高になった。

通期業績予想も営業利益で3000億円上方修正した。第2四半期累計の連結グローバル販売は33%増の409万4000台となった。主力の北米が38%増の128万2000台と大幅に伸びたほか、コロナ禍の影響がまだ反映されなかったアジアも55%増の70万6000台となった。日本は3%増の94万5000台だった。中国などを含むグループの総販売台数は21%増の526万5000台だった。

営業利益の増減益状況では、販売増など営業面の努力による増益が1兆0550億円にのぼった。為替は1ドル110円で、前年同期から3円の円安になり、全通貨での為替変動による増益要因は2550億円となった。また、原価改善の効果は、原材料費の高騰を含むため300億円の減益要因になった。ただ、原価改善自体は1500億円近いレベルを確保したという。

売上高は36.1%増の15兆4812億円、純利益は2.42倍の1兆5244億円だった。トヨタは2020年3月期から会計基準をIFRSに変更しているが、以前の基準を含めても第2四半期としては営業利益、純利益とも過去最高だった。

通期の連結グローバル販売見通しは8月時点より15万台少ない855万台(前期比12%増)に下方修正した。北米は12%増の258万台の計画。グループ販売見通しも26万台下方修正し、1029万台(4%増)とした。9月から10月にかけてアジアからの部品調達に支障が出て減産が広がったのが、下方修正の主因だ。

販売は下方修正となったものの、為替の円安影響などもあり通期の業績予想は上方修正となった。従来比で営業利益が3000億円多い2兆8000円(27%増)、純利益は1900億円増額の2兆4900億円(11%増)、売上高は修正なしの30兆円(10%増)としている。営業利益は過去最高だった2兆8539億円(2016年3月期)に並ぶ水準となる。

オンライン会見した近健太執行役員(CFO)は第2四半期業績について「生産が停滞するなか、販売店、仕入先、世界の工場の現場が1台でも多くの車をお届するために、必至に努力した。地道な原価低減や固定費の効率化効果が表れた。また、これまで取り組んできた商品の強化も効果的だった」と、評価した。

一方で、「新車の供給がひっ迫して中古車価格が上昇したため、金融事業が改善するなど実力以上の部分もあった」と指摘した。また、通期の業績予想は上方修正したものの、「円安の影響を除けば、資材高騰などにより実質は下方修正」との見方も示した。通期の為替変動影響は4450億円の増益を見込む一方、資材費などの上昇を含む原価改善は、3450億円の減益要因になると想定している。

《池原照雄》

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