ポルシェ911 をカスタマイズ、完成に3年…ルマン優勝車がモチーフ

1985年のルマンを制したパオロ・バリッラ氏がオーダー

専用設計されたリアウイングのサイドプレート

4.0リットルのフラット6は最大出力510ps

1985年のルマンを制したポルシェ 956とポルシェ911 GT3のワンオフモデル
1985年のルマンを制したポルシェ 956とポルシェ911 GT3のワンオフモデル全 18 枚

ポルシェは11月8日、『911GT3』(Porsche 911 GT3)をベースにしたワンオフモデルを発表した。ルマンを制した元レーシングドライバーで、現在は実業家の顧客が60歳の誕生日を祝うためにオーダーしていた1台が、3年をかけて完成した。

【画像全18枚】

◆1985年のルマンを制したパオロ・バリッラ氏がオーダー

このワンオフモデルは、史上最も成功したレーシングカーと呼ばれるポルシェ「956」をモチーフにしている。1982年のルマン24時間耐久レースでは、ジャッキー・イクスとデレック・ベル組のポルシェ956が総合優勝。その後も956シリーズは改良を重ね、1994年までにルマン24時間耐久レースを7回制した。この間、148台のポルシェ956が、ドイツ・ヴァイザッハで製造された。

今回、完成した911GT3のワンオフモデルは、1985年のルマン24時間耐久レースで総合優勝したクラウス・ルートヴィヒ、パオロ・バリッラ、ジョン・ウィンター組のポルシェ956をモチーフにしている。オーダーしたのは、1985年のルマン24時間耐久レースを制した3人のドライバーのひとり、バリッラ氏だ。

ワンオフモデルは、ボンネットとドアに、1985年のルマン優勝マシンと同じカーナンバー7をあしらった。リアウイングなどのデザインも再解釈され、一部は専用に開発された。

ポルシェ911 GT3のワンオフモデルポルシェ911 GT3のワンオフモデル

◆専用設計されたリアウイングのサイドプレート

ワンオフモデルは、サマーイエロー、ホワイト、ブラックの3色で塗装されており、歴史的なレーシングカーの956のストライプデザインも再解釈された。フロントバンパーとヘッドライトのトリムリングも、サマーイエローで塗装された。センターロックホイールのデザインは、ポルシェ956のホイールから着想を得ている。ポルシェ956はルマン参戦当時、ホイールに白いエアロブレードが装着されていた。ワンオフモデルのホイールもフロントが白で、リアはゴールドで塗装されている。

専用設計されたリアウイングのサイドプレートも、ポルシェ956のデザインに影響を受けている。空力性能面では、とくにフロントアクスルとリアアクスルのバランスを維持する必要があった。そのため、新型911GT3の空力エンジニアが、新車開発の早い段階でワンオフモデルのプロジェクトに参加した。新形状のリアウイングは、風洞実験で空気の流れを検証した。「PB60」は、オーナーのパオロ・バリッラ氏のイニシャルと60歳の年齢を表しており、ボディサイドには紋章が付けられた。このロゴは、1985年のルマン優勝マシンの当時のメインスポンサーのグラフィックに触発されているという。

インテリアは、ブラック基調とした。助手席側ダッシュボードのドアエントリーガードとイエローの装飾トリムには、特別にデザインされたロゴで装飾されている。このロゴは、956と「ルマン1985」、レーシングカーのシルエットを組み合わせたものだ。「ルマン1985」のロゴと当時のサルトサーキットが、ヘッドレストに刺繍された。シフトレバーは、956のマグネシウムボールを連想させることを狙ったカスタムメイド。アルミから削り出され、表面は研磨されている。

ポルシェ911 GT3のワンオフモデルポルシェ911 GT3のワンオフモデル

◆4.0リットルのフラット6は最大出力510ps

レーシングカーの「911 GT3 R」のパワートレインをベースにする4.0リットル水平対向6気筒ガソリンエンジンを搭載する。最大出力は510ps/8400rpmと、従来型に対して35ps引き上げられた。このエンジンは、耐久レースでその実力が証明されている高回転エンジンで、新型「911 GT3カップ」にも、ほぼ変更を加えずに使用されている。動力性能は、0~100km/h加速が3.4秒、最高速は320km/h(PDKは318km/h)に到達する。

ワンオフモデルの開発では、ポルシェ・エクスクルーシブ・マヌファクトゥールとポルシェのデザイン部門の専門家で構成されるプロジェクトチームが結成され、オーナーのバリッラ氏もプロジェクトに参加した。プロジェクトでは、最初のデザインスケッチから完成まで、3年の期間を要した。992型の911GT3は当時開発中だったため、従来型の911GT3をベースに開発は始まったという。

完成したワンオフモデルと対面したオーナーのパオロ・バリッラ氏は、「1980年代にパフォーマンスと美しさの点で象徴的なポルシェ956をドライブする機会があった。最新の911GT3のいくつかの要素の解釈は、当時の記憶を刺激的で大切なものにしてくれる」と語っている。

ポルシェ956(1985年)ポルシェ956(1985年)

《森脇稔》

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