波紋が広がるガソリン高騰抑制案、元売り業者の補助金に疑問の声[新聞ウォッチ]

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ガソリン価格の高騰を抑制するため、政府が唐突にぶち上げた石油元売り各社へ補助金を支給する案をめぐって、早くも効果や透明性を疑問視する声が上がっているという。

きょうの各紙にも「ガソリン補助金効果・公平さ疑問」(日経)をはじめ、朝日、毎日、産経なども「効果には懐疑的な見方が出ており、小売りの現場に混乱を招く恐れがある」(産経)とも伝えている。

波紋を呼んでいる課題とは、日経によると、ひとつは実効性の問題。「ガソリンの元売り業者に補助金を出し、ガソリンスタンドへの供給価格に反映しても小売価格がその通り引き下がるかは見通せない」と指摘。つまり、小売価格はガソリンスタンドなどが決めるが、ガソリンは製品そのものに大きな差がないため、周囲の店舗との駆け引きで値付けするケースがあるからで、市場関係者の声として「価格の引き下げ原資が小売業者などの懐に入る恐れがある」とも報じている。

さらに、公平性にも問題があるという。ガソリンの高騰が家計を圧迫しているのは確かだが、価格上昇はガソリンだけではないので、「ガソリンだけ特別扱いするのは疑問だ。これが広がれば大雨で野菜価格が高騰したときも補助金が必要になる」との大正大学の小峰隆夫教授のコメントを取り上げている。

こうした中、「これが岸田文雄首相の描く『新しい資本主義』のかたちなのか」との書き出しの日経の解説記事がすさまじい。「先の衆院選では、大盤振る舞いを競う野党の多くが国民の厳しい審判を受けた。岸田政権にも安易なバラマキのお墨付きを決して与えたわけではあるまい」とも問いただしている。

きょう(11月18日)は、日本自動車工業会の定例記者会見が9月9日以来、2か月ぶりに開かれるが、足元の新車販売にも影響するガソリンの補助金問題について、豊田章男会長はどんな見解を示すのかも興味深い。

2021年11月18日付

●ANAの訓練施設、来月から一般公開(読売・8面)

●免許更新「技能検査」を新設、高齢運転者の事故防止(読売・11面)

●飲酒し電動スケーター、8月、国の実証実験中、五輪パラバイト書類送検へ(読売・32面)

●ガソリン高抑制へ補助金、効果不明業界から疑問も(朝日・3面)

●タイヤ脱落10年で12倍、大型トラックやバス、昨年度は最多131件(朝日・33面)

●自動車輸出36%減、10月貿易赤字3か月連続(毎日・7面)

●新幹線「ドライバレス」へ、JR東が自動運転試験調(毎日・24面)

●4年8カ月ぶり円安、一時114円97銭、消費に冷や水(産経・11面)

●89歳運転3人はねる、大阪、スーパー敷地、1人死亡(産経・29面)

●日産、汎用半導体で代替、特注品の調達リスク回避(日経・1面)

●ダイムラー分割利益率倍へ難路(日経・16面)

●米自動車ショー、2年ぶり開催へ、新興EV企業主役に(日経・17面)

《福田俊之》

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