意外? 実は日本最古の自動車会社だったメーカー

ダイハツの創立当時の本社工場
ダイハツの創立当時の本社工場全 11 枚

今年、全面刷新が大きな話題になり、今や納期は5年待ちとも言われるトヨタ『ランドクルーザー』は、前身のトヨタ『ジープ』登場から70年、ランドクルーザーを名乗ってからも67年を数え、日本の現行車種では最長の歴史を誇る。

ところが、それを作るトヨタ自動車は、日本最古の自動車メーカーではない。1933年に豊田自動織機製作所自動車部として産声を上げ、その4年後にトヨタ自動車工業として独立。その後に設立されたトヨタ自動車販売と合併して現在の社名となったのは、1982年のことだ。

完成当時のトヨタ挙母工場(1938年)完成当時のトヨタ挙母工場(1938年)

では、現在も続く社名で、一番長く続いているものは何か。日本の自動車メーカー史を紐解くと、1934年に日産自動車の名が現れる。戦時下の1944年には日産重工業を名乗るが、1949年にふたたび日産自動車へ戻して今に至る。現社名の登場時期としては、これが最古だといえる。

1915年頃の快進社の社屋1915年頃の快進社の社屋

なお、日産のルーツに当たる快進社は、1911年に設立された、日本の初期の自動車メーカー。1914年には、初の純国産自動車である『脱兎号』を製作したが、これはのちに日産がブランド名として使ったダットサンの由来でもある。

1914年に作られた脱兎号のプロトタイプ1914年に作られた脱兎号のプロトタイプ

しかし、それよりも早く、1907年に誕生したのがダイハツだ。

ダイハツの創立当時の本社工場ダイハツの創立当時の本社工場

正確にいえば、当時の社名は発動機製造株式会社で、その名のとおりエンジンの開発・製造を目的に大阪で創設された。やがて、大阪の発動機を略して大発と呼び慣らされるようになり、1930年に試作され、翌年に量産を開始した三輪自動車を『ダイハツ號』と命名。1951年には、社名をダイハツ工業と改称している。

ダイハツが開発した6馬力吸入ガス発動機(1907年)ダイハツが開発した6馬力吸入ガス発動機(1907年)

つまり、企業としての歴史が最も長いのはダイハツで、公式ホームページでも「現在自動車を生産する日本のメーカーでは、ダイハツは最も古い歴史を持つ会社」と説明している。なお、そのダイハツで一番長く使われ続けている車名は、1960年に初代が登場した『ハイゼット』だ。

ちなみに、ダイハツと軽自動車市場で鎬を削るスズキは1909年、鈴木式織機製作所として創業。1954年に鈴木自動車工業と名を変え、四輪車への本格参入を開始しているが、こちらも歴史の長い会社だ。

創業後まもない(1909年)鈴木式織機製作所の店舗創業後まもない(1909年)鈴木式織機製作所の店舗

アメリカでフォードが大量生産方式を導入しようとしていた頃、蒸気自動車の試作で第一歩を踏み出した日本の自動車産業は、いまや世界的に見ても押しも押されもせぬ存在となった。そして今、自動車業界は変革の時を迎えている。今後、どのような歴史を刻んでいくことになるのだろうか。

《関耕一郎》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. スバルマークの方が似合う? 新型ダイハツ『ムーヴ』のスバル版にSNSも注目!
  2. トヨタ RAV4 新型、PHEVのEV航続は150km
  3. 日産の新型セダン『N7』、発売50日で受注2万台を突破
  4. ベントレーの超高級住宅、最上階は「55億円」 クルマで61階の自宅まで
  5. 【ダイハツ ムーヴ 新型】「ポッキー入れ」にイルミネーション、軽自動車でも質感を“あきらめさせない”インテリアとは
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 三菱が次世代SUVを初公開、『DSTコンセプト』市販版は年内デビューへ
  2. BYD、認定中古車にも「10年30万km」バッテリーSoH保証適用
  3. 茨城県内4エリアでBYDの大型EVバス「K8 2.0」が運行開始
  4. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
  5. 独自工会、EV減速でPHEVに着目、CNモビリティ実現へ10項目計画発表
ランキングをもっと見る