着雪しにくい台車を造りやすく…鉄道総研が国内初「着雪シミュレータ」を開発

床下の大半がカバーで覆われている秋田新幹線E6系。それでも巻き込んだ雪が付着し、以前は盛岡駅で手作業による雪落としが行なわれていたが、現在は田沢湖線内の大釜駅(岩手県滝沢市)に融雪装置が置かれている。
床下の大半がカバーで覆われている秋田新幹線E6系。それでも巻き込んだ雪が付着し、以前は盛岡駅で手作業による雪落としが行なわれていたが、現在は田沢湖線内の大釜駅(岩手県滝沢市)に融雪装置が置かれている。全 6 枚

公益財団法人鉄道総合技術研究所(鉄道総研)は11月29日、鉄道車両への着雪現象を再現する「着雪シミュレータ」を国内で初めて開発したと発表した。

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降雪地を走る鉄道車両では、台車がある床下に雪を巻き込むことが多く、その度に手作業による雪落としや、秋田新幹線のように融雪設備を設ける必要があった。

そのようなことから、従来は着雪しにくい車体形状が採り入れられてきたが、その検討に際してはこれまで実物車両を用いて冬季や降雪期に試験を行なう必要があった。車両模型を使った降雪風洞実験が行なわれることもあるが、その場合でもリアルな影響を把握することは難しかった。

そこで、さまざまな条件を模擬した上でのスーパーコンピュータによる高速な計算により、これまで以上に精緻に着雪現象を再現できる着雪シミュレータが開発され、走行時の車輪の回転や風などの条件を考慮した着雪状況を可視化できるようになった。

鉄道総研ではこのシミュレータを「着雪原因の解明や着雪防止対策の検討」に活用できるとしており、今後は台車周辺の着雪量を低減させるための形状改良などにも活用していく予定としている。

《佐藤正樹(キハユニ工房)》

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