地域住民の利便性支援を目的にMaaS を活用…加賀市

MaaSを核とした協定を締結した加賀市の宮元 陸市長(中央)、MaaS Tech Japanの日高洋佑代表取締役(左)、ヴァル研究所の菊地宗史代表取締役
MaaSを核とした協定を締結した加賀市の宮元 陸市長(中央)、MaaS Tech Japanの日高洋佑代表取締役(左)、ヴァル研究所の菊地宗史代表取締役全 6 枚

加賀市(石川県)は11月26日、デジタルを活用したデータに基づく効率的な交通体系の実現に向け、MaaS Tech Japanおよびヴァル研究所と協定を締結。MaaSを活用した交通版EBPMによる公共交通の改善に取り組む。29日には協定の締結式を実施した。

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◆MaaSを核に公共交通機関を連携させてサービス向上につなげる

これは加賀市におけるMaaSを活用した質の高い住民サービスやスマートシティの実現を目指して実施されるもの。地域の課題解決をゴールとして掲げ、データに基づいて立案・評価・分析する交通版EBPM(=Evidence-Based Policy Making)を実現することで、持続可能な地域社会の新たなインフラ構築を目指す。

加賀市では過疎化による公共交通機関の利用者減少が進んでおり、それを維持するための負担が増加。特に加賀市は温泉地など拠点が分散する傾向にあり、単独の移動手段で輸送効率を高めることは困難を極める。それだけにとどまらずドライバー不足も深刻な問題となっている。一方で少子高齢化は待ったなしに進んでおり、免許を返納した高齢者も増える中で住民が安心して移動できるサービスは欠かせないことも確かだ。

そこで加賀市は持続可能な交通体系を維持する手段として、デジタル技術を活用した効率的・効果的なサービス構築が欠かせないと考えた。その中核となるのが地域のモビリティ同士が連携して可能となるMaaS(Mobility as a Service)というわけである。MaaSとは鉄道、バス、タクシー、旅客船、旅客機からカーシェア、シェアサイクルなどあらゆる交通機関のサービスをひとつのサービスとして連携させ、利用者はワンストップで自由な移動を享受できるようになるというものだ。

このサービスの実現にあたっては、MaaS Tech Japanが中心となってデータ連携基盤統合技術やそれを活用したMaaSの事業開発ノウハウを提供し、加えてヴァル研究所がもつ経路検索エンジン技術を持ち寄る。これによって加賀市における「誰でも使いやすく、暮らしを豊かにするモビリティサービス」の実現につなげようというわけだ。今回の協定の締結はこれを目的としている。

◆最終目標として目指すのが「MaaSレベル4」の社会実装

そして、加賀市がこの協定の先にある最終的な目標として掲げるのが「MaaSレベル4」の社会実装である。これはモビリティ・決済手段の統合だけでなく、地域課題や社会課題の解決に向け、まちづくりとの連携、交通 制御等による人・モノのコントロールを実施している状態を指す。ここには子育て世代への支援や、高齢者の免許返納や生活の質向上、医療機関へのアクセス向上など、具体的なアクションプランが複数含まれる。

加賀市の宮元 陸市長は今回の協定の締結について、「加賀市においては民間が持っている交通移動手段を最適化しながら、住民にとってどう利便性を高めていくかが大きな課題となっている。そこで2020年2月 10事業者が参画して加賀MaaSコンソーシアムを設立した。MaaSを一日も早く確立させてこの課題解決につなげ、その実現のために(協定を結んだ)パートナーの協力を仰いでいきたい」と述べた。

今回の協定内容は以下の5つ。
(1)住民向けMaaSアプリの開発に関すること
(2)モビリティデータ連携基盤の開発に関すること
(3)MaaSオペレータ事業促進に関すること
(4)データに基づいた交通マネジメント(EBPM)に関すること
(5)経路検索を用いたモビリティサービス向上に関すること

ここではマイナンバーカードも積極活用するのが特徴で、それに提供されるサービスが紐付けられ、これがきめ細やかな住民サービスの実現をもたらす。具体的には、利用者に応じた柔軟な交通サービスやサブスクリプションチケットなどの実施を予定。MaaSアプリによるデジタルチケットやキャッシュレス支払いも想定する。

これらの実現にあたっては、MaaSアプリやデータ連携基盤を確立し、同時に事業者間の円滑な連絡体制を構築することが欠かせない。その中核となるのが「MaaSコントローラ」だ。加賀市では今後、これを核に事業者の垣根を越えたMaaSオペレータ事業として実現を目指していく。

《会田肇》

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