コロナ禍でカスハラ…交通・運輸勤務者に「受診拒否」や「家族の出勤・登校自粛要請」

キーワーカー(交通運輸・観光サービス産業の従事者)であることを理由に、新型コロナウィルス感染症に関する差別、偏見、誹謗・中傷等を含む迷惑行為を受けた事がありますか
キーワーカー(交通運輸・観光サービス産業の従事者)であることを理由に、新型コロナウィルス感染症に関する差別、偏見、誹謗・中傷等を含む迷惑行為を受けた事がありますか全 8 枚

全日本交通運輸産業労働組合協議会(交運労協)は、交通・物流・観光産業の現場で働く2万0908名を対象に、カスタマーハラスメント(カスハラ)の悪質クレーム・迷惑行為に関するアンケートを実施。コロナ禍の2年、交通・運輸勤務者への差別実態が明らかになった。

消費者によるカスハラが社会問題として認識され、2020年6月施行「改正労働施策総合推進法」指針で、初めて国として「顧客等からの著しい迷惑行為に関し行うことが望ましい取組」が示された一方、今回の調査結果からは、交通・運輸・観光産業を支える現場の「キーワーカ―(交通運輸・観光サービス産業の従事者)」に対する理不尽なハラスメント実態が浮き彫りになった。

まず、直近2年以内で利用者等から迷惑行為の被害にあったことがあるかを尋ねたところ、46.6%が「ある」と回答。業種別では「タクシー(58.0%)」、「バス(54.4%)」、「鉄道(52.4%)」が上位3つを占めた。直近2年以内で迷惑行為が増えていると感じるかとの問いには、57.1%が増えていると回答。特に「航空(69.1%)」、「バス(63.8%)」、「トラック(56.5%)」、「鉄道(54.4%)」でカスハラをより実感しているという結果となった。

最も印象に残っている利用者等からの迷惑行為については、「暴言(49.7%)」、「何度も同じ内容を繰り返すクレーム(14.8%)」、「威嚇・脅迫(13.1%)」の順。このほか、鉄道やタクシーでは「暴力行為」、鉄道やタクシー、バスでは「土下座の強要」、鉄道やトラック、バスでは「SNS・インターネット上での誹謗・中傷」、タクシーや観光サービスでは「金品の要求」などが印象に残っているとの回答も多かった。

迷惑行為をしていた利用者の性別は男性が86.4%。年代別では「50代(29.2%)」、「40代(20.6%)」、「60代(20.5%)」の順。40代から60代で70.3%を占めた。

また、キーワーカーであることを理由に、新型コロナウイルス感染症に関する差別、偏見、誹謗・中傷等を含む迷惑行為を受けたことがあるかとの質問には20.2%が「ある」と回答。その内容は、先程の迷惑行為同様、「暴言(40.1%)」、「威嚇・脅迫(17.6%)」が多かったが、「消毒スプレーをかけられた(7.9%)」、「同居の家族が出勤や学校への登校の自粛を求められた(5.6%)」、「病院の診断・検査等を断られた(4.8%)」などの理不尽な差別を受けた人も一定数いることがわかった。

《纐纈敏也@DAYS》

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