車検通るの?---カスタム車両で注意するのはここ

車検通るの?そのクルマ。カスタム車両で注意するのはここだ!
車検通るの?そのクルマ。カスタム車両で注意するのはここだ!全 6 枚

意外な車検の落とし穴と
結構寛大な日本の車検

チューニングやカスタムにおいて気になるのが車検。車検に合致しないのは、車検に通らないだけでなく、罰金や免許点数を引かれたりと、しっかりと罰則を受けることになる。きちんと保安基準に適合した状態で走行しなければならない。昔よくあった、車検のときだけマフラーを戻して、普段はうるさいマフラーをつけるような行為は言語道断である。

マフラーは事前認証を取得したモノだけが使える

カスタムの第一歩マフラー。以前は車検時に年式によって99dB以下ならOKとか、103dBまではOKのようになっていた。車検場で検査して合否が決まっていたのだ。だが、2010年4月以降に生産されたクルマには事前認証を取得したマフラーしか使用できなくなった。あらかじめパーツメーカーが所定のルールに従ったテストを受け、それを通過したものだけが公道で使用できる。その証明がないマフラーはどんなに静かでも車検に合致しなくなったのだ。そのルールには製造工場の指定なども含まれる厳しいもので、マフラー業界をガラッと変える大きな変更だったのだ。

なので他車種マフラーの流用、サイレンサーだけの流用などもNG。知り合いの工場で手曲げで作ってもらったマフラーなども事実上NGになってしまったのだ。

サスペンションは意外にも細かいルールはない

車高調に代表されるサスペンションは結構寛大。近年だとブレーキホースの留め方が以前はタイラップでも良かったが、現在はネジ留めでないとダメなくらい。とくに事前認証などもない。また、諸外国では禁止されていることが多い全長調整式に関しても日本ではOK。ジャッキアップ時にスプリングが遊んでいるとか、そういう初歩的な間違いがなければ大きな問題はない。

サスペンションよりもシビアなのはアーム類だ。サスペンションアームは変更すると届け出を出さなければならない。きちんとしたメーカーでは強度検討書が付属する。しかし、この強度検討書だけでは車検をパスできない。強度検討書をベースにして事前に改造した申請を陸運局に行い、その書類の許可を得た上で車検に臨まなければばならない。一般的にユーザーがこの書類を出すのはかなりハードルが高く、プロの公認車検屋さんへ事前に依頼するのが一般的。

アームそのものを交換するとこのようにややこしいが、アームのブッシュをピロボールにすることは問題なし。申請も不要。なので、メーカー系パーツサプライヤーのTRDやSTIからは、純正アームのブッシュをピロボールに打ち替えたアームを発売している。乗り味をより洗練したいならアリな選択肢だ。アーム交換によってアライメント調整の範囲を広げるとか、キャンバー角をもっと付けたいというのであれば、アーム交換して申請をするしかない。

タイヤははみ出し禁止からゴムは10mmまではみ出しOKに

タイヤとホイールは頂点から前方向に30度、後ろ方向に50度の範囲ではみ出してはならなかった。しかし、2017年6月から保安基準が改正され、タイヤのみ10mm未満ならはみ出していないものとみなす、というルールに変更された。

これは30度/50度の範囲でいかなるはみ出しもダメだったのが、ゴム部分が9mmまでなら出ていてもいいという解釈に変わったのだ。とはいえホイールのスポークが湾曲していたら、ホイールがはみ出してしまうこともあるし、タイヤを引っ張ったりするとリムが突出してしまうので、大幅なルールの変更ではないのだが、リムガードなどが多少飛び出す分には問題なくなったということ。

ブレーキパッドやキャリパーも細かいルールはないが、、、

ブレーキパッドはもちろん、キャリパー変更にも細かいルールはない。ローター径をアップしても車検には関係なし。しかし、ドラム式からディスクに載せ替えるなどの、制動装置の変更はきちんとした申請が必要になる。近年だとリアブレーキキャリパーに電磁式のサイドブレーキが備わっている場合がややこしい。

キャリパー交換をするとサイドブレーキがなくなってしまうので、使い勝手も悪いし、そもそも車検に通らない。最近だと、フロントブレーキキャリパーの変更に合わせて、リアキャリパーをオフセットさせて、大きなリアローターに純正キャリパーをセットして前後バランスのマッチングを図るキットなどが販売されているのだ。

車検通るの?そのクルマ。カスタム車両で注意するのはここだ!~カスタムHOW TO~

《加茂 新》

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