シトロエンブランドが好調な3つの理由…PSA日本法人CEOが振り返る

グループPSAジャパン代表取締役社長兼CEOのポンタス・ヘグストロム氏
グループPSAジャパン代表取締役社長兼CEOのポンタス・ヘグストロム氏全 18 枚

グループPSAジャパンは1月22日にシトロエンC4』新型とBËVの『Ë-C4ELECTRIC』を発売する。発売を前に、グループPSAジャパン代表取締役社長兼CEOのポンタス・ヘグストロム氏は昨年を振り返り、シトロエンの好調をアピールする。

「グループPSAジャパンとFCAジャパンの昨年の販売台数は合計で4万4000台を超え、対前年比10%超。この2社は、輸入車メーカーの中で最も成功を収めた」と高く評価。シトロエンも8年連続で販売増を達成し、「対前年比17%の成長によりシトロエンの販売台数は5800台を超え、1990年以来最高の年となった」と述べる。

その理由をポンタス氏は3つ挙げる。ひとつは『ベルランゴ』のヒットだ。2019年にデビューしたベルランゴはデビューエディションが6時間足らずで完売。2020年は通年での販売により「シトロエンの売り上げのおよそ半分がベルランゴだ」とのこと。

次に、「個性的なプロダクトデザインとあらゆる面での快適性の追求が評価されたこと」だという。2016年パリモーターショーで発表されたコンセプトカー、『Cエクスペリエンス』にインスパイアされた『C3』を皮切りに、「新しいデザイン言語を最新のシトロエン製品に組み込みながらも、変わらず快適性を重視。この新しいデザイン言語はシトロエンが自らの伝統を再評価し、そこにコアバリューとして快適性とユニークさに改めて焦点を当てたことから生まれた」と述べる。

因みにシトロエンが定義するクルマの快適性とは、「いかに乗り心地がスムーズか、インテリアはいかに居心地が良いか、そしていかに荷物を積みやすいかなど、あらゆる面での快適性を意味している」とポンタス氏。そして、「あらゆる面で快適性を重視している自動車ブランドはシトロエンだけだ。その結果、お客様に非常に新鮮で新しいブランド価値を提供することに成功した」とその個性が要因になったことを強調。

そして最後は、「オンラインとオフラインのハイブリッドコミュニケーション戦略の成功」にあるという。ポンタス氏は、「最終的にお客様が実際にショールームに足を運び、シトロエンの世界を体験してもらわなければ、いくら優れたプロダクトであってもその存在を知られることはない」とし、そこで、「お客様とのタッチポイントを増やすべく、オンラインPRイベントとオフラインの展示会を組み合わせて、お客様をショールームにお誘いする仕組みを続けてきた」という。

昨年でいえばオンラインで『C3』の発表会を代官山蔦屋書店(東京都渋谷区)にて開催。続いて『C5エアクロスSUVプラグインハイブリッド』もオンラインにて発表。一方でサイクルモードライド大阪や、フジロックフェスティバルなどで実車の展示が行われた。そして年末には『C3エアクロスSUV』のフェイスリフトを受け、東京下北沢において「シトロエン流のお客様展示イベントを開催した」と昨年を振り返った。そして1月11日まで代官山蔦屋書店にてC4と Ë-C4 ELECTRICを展示。「コアターゲット層が訪れる代官山でこれまでの“成功の方程式”を再現する」とコメントした。

《内田俊一》

内田俊一

内田俊一(うちだしゅんいち) 日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かしデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。保有車は車検切れのルノー25バカラとルノー10。

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