マセラティがレースに復帰、「フォーミュラE」参戦 2023年から

マセラティのレース参戦は2004-2010年のFIA GT世界選手権以来

イタリアブランドとして初めてフォーミュラEに参戦

フォーミュラEから得られたノウハウを電動化戦略に生かす

マセラティのダヴィデ・グラッソCEOとフォーミュラEのアレハンドロ・アガグ創設者兼会長
マセラティのダヴィデ・グラッソCEOとフォーミュラEのアレハンドロ・アガグ創設者兼会長全 5 枚

マセラティ(Maserati)は1月11日、モータースポーツに復帰すると発表した。2023年から、「ABB FIA フォーミュラE 」世界選手権に参戦する。

◆マセラティのレース参戦は2004-2010年のFIA GT世界選手権以来

もともとマセラティは、レースフィールドで誕生し、マセラティ兄弟によって、その後は幾多のファクトリードライバーによって、認知度を高めたブランドだ。レースへの初参戦は96年前の1926年、ボンネットにトライデントのロゴを付けた『ティーポ26』が「タルガ・フローリオ」でデビューした。アルフィエーリ・マセラティがステアリングホイールを握り、排気量1.5リットル以下クラスで優勝した。

それから31年後の1957年には、ファン・マヌエル・ファンジオが、マセラティとともにF1を制した。マセラティのシングルシーター最後の姿は、マリア・テレジア・デ・フィリピスが、「250F」で女性として初めて、F1の予選を通過した時だった。

マセラティが、最後にモータースポーツに投入していたレーシングカーが、「MC12」だ。2004~2010年、FIA GT世界選手権に参戦し、通算22勝(スパ24時間での3勝を含む)を達成した。コンストラクターズ選手権、ドライバーズ選手権、チーム選手権の合計14の選手権タイトルを獲得している。

2004-2010年にFIA GT世界選手権に参戦していたマセラティMC122004-2010年にFIA GT世界選手権に参戦していたマセラティMC12

◆イタリアブランドとして初めてフォーミュラEに参戦

モータースポーツの遺伝子を受け継ぎ、純粋な競技精神に根ざすマセラティは、イタリアブランドとして初めて、フォーミュラEに参戦する。サーキットへの回帰は、マセラティのDNAにあるレーシングスピリットの復活を意味するという。

マセラティのハイパフォーマンスを追求する姿勢と、電動化に対する姿勢は、世界初のオールエレクトリックのロードレーシング・モータースポーツ・シリーズのABB FIAフォーミュラE 世界選手権の目指すものと一致する。そのため、マセラティはフォーミュラEへの参戦を決めた。

マセラティの電動モビリティへのコミットメントは、電動化戦略の「フォルゴーレ(Folgore)」の導入によって実現する。次期『グラントゥーリズモ』や次期『グランカブリオ』などの新型車に、100%電動化ソリューションが採用される予定だ。

マセラティにとって、ABB FIAフォーミュラE 世界選手権は、ハイパフォーマンスと革新技術が共存する環境下で、ブランドが持つレーシングの伝統とフォルゴーレを同時にアピールできる理想的な場になるという。

1926年の「タルガ・フローリオ」でデビューしたマセラティ・ティーポ261926年の「タルガ・フローリオ」でデビューしたマセラティ・ティーポ26

◆フォーミュラEから得られたノウハウを電動化戦略に生かす

マセラティは2023年のシーズン9から、最新のフォーミュラEレーシングカーの「Gen3」で、フォーミュラEに参戦する。Gen3 は、効率に優れたレーシングカーで、最新のデザインや製造工程、技術革新を備えている。

フォーミュラEは創設以来、ニューヨーク、モナコ、ベルリン、メキシコシティ、ロンドン、ローマなどの市街地コースにおいて、レースを開催してきた。フォーミュラEで得られた知見は、EVのエネルギー効率の向上や、バッテリー容量の増大、パワートレイン開発の進化に繋がった。現在世界中で販売されているEVは、これらの技術を導入して、一回の充電での航続を延ばしている。

マセラティのダヴィデ・グラッソCEOは、「レースの世界の主人公として、自分たちのいるべき場所に戻ってきたことを誇りに思う。マセラティはレースの場において、世界レベルの卓越した結果を達成し続けた長い歴史がある。パフォーマンス、ラグジュアリー、イノベーションを追い求めるマセラティにとって、電動化戦略のフォルゴーレは抗しがたい存在であり、マセラティの最も純粋な表現でもある。だからこそ、FIAフォーミュラE世界選手権への参戦を決定した」と語る。

サーキットはマセラティにとって、いわば自然生息地のような場所になるという。フォーミュラEに参戦することが決まり、その伝統を礎として新たなヘリテージを築きあげていく、としている。

《森脇稔》

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