BMWモトラッド(BMW Motorrad)は1月14日、イタリア・ヴェローナで開幕した国際二輪博覧会の「モーター・バイク・エキスポ2022」において、BMW 『R18M』を初公開した。
◆レトロさを付加しながらスポーティなスタイリングを追求
このバイクは、BMWモトラッドの『R18』をベースに、イタリアの二輪メディアの『LowRide』がアイデアを出し、「AmericanDreams」によってカスタマイズされた1台だ。
「M」は、BMWの4輪車の高性能バージョンに付される名称で、現在は2輪車にもMモデルが拡大展開されている。LowRideの編集スタッフは、R18Mプロジェクトの立ち上げに際して、BMWモトラッドのクルーザーに、レトロさを付加しながら、スポーティなスタイリングを追求することを重視したという。
カスタマイズは、シャシー、サスペンションのセットアップ、ボディ、アクセサリーに重点を置いており、R 18パワートレインや電子機器は変更していない。軽量化しつつ、ベース車両とは異なるライディングポジションとすることを目指した。

◆デザイナーや経験豊富な職人がカスタマイズを担当
R18Mプロジェクトには、BMWイタリアも協力しており、デザイナーから経験豊富な職人まで、多くのスタッフがカスタマイズに参画した。スケッチは、LowRideのパートナーのデザイナー、Oberdan Bezzi氏が手がけた。彼は、ベース車両のR18の本質を損なうことなく、エキサイティングなパワークルーザーに仕立てることを狙った。
AmericanDreamsが組み立てを担当し、各部の調整を行った。プロトタイプとモデリングを専門とするElaboratorio社は、テールやチップ、グラスファイバー製フロントガラスを手がけた。カーボンイタリア社は、ヘッドカバー、インテークダクト、その他のカーボンファイバー製パーツをデザインした。コンパクト設計で、より大きなリーンアングルを可能にする短いエキゾーストパイプは、ERエキゾーストレボリューション社が開発したもの。短いエキゾーストパイプは、剥き出しのニッケルメッキ製シャフトを際立たせる。
L.R.レザー社はサドルをレザーで覆い、塗装はDox Art Factoryに委託された。Rizomasya社によるバイクのキャラクターに合うミラー、グリップ、ユニバーサルインジケーターが、アクセサリーとして装着している。また、BMWのMモデルらしいブルー、パープル、レッドの3色が、車体の各部に添えられた。

◆BMW史上最強の2気筒水平対向エンジン
R18の心臓部には、新開発の2気筒ボクサーエンジン、いわゆる「ビッグボクサー」が搭載された。ビッグボクサーの外観とテクノロジーは、1923年に生産を開始して以来、70年以上にわたって刺激的なライディングエクスペリエンスを提供し続けてきた伝統的な空冷ボクサーエンジンの継承を反映しているという。
これまでにBMWの量産モーターサイクルに搭載された中で、最もパワフルな2気筒ボクサーエンジンを積む。排気量は1802ccで、最大出力91ps/4750rpm、最大トルク16.1kgm/3000rpmを獲得する。15.3kgm以上のトルクが、2000~4000rpmで引き出される特性を持つ。このエンジンは、優れた牽引力と深みのあるエンジンサウンドを発揮するという。
R18は、BMWモトラッドの理念に従って、リラックスできるフットレストの配置、いわゆる「ミッドマウントフットペグ」を採用する。シリンダー後方のこのクラシックな位置は、BMWにとって典型的なレイアウトだ。また、車両を最適に制御するために、リラックスしつつもアクティブなライディングポジションを可能にしている。