ステランティスジャパン発足…グループPSAジャパン、FCAジャパン社長が発表

ステランティスジャパン発足
ステランティスジャパン発足全 10 枚

FCAジャパングループPSAジャパン代表取締役社長のポンタス・ヘグストロム氏は、新春記者会見で2社を統合し、ステランティスジャパンを3月1日に発足させることを発表した。

◆シェアは17%にまで進捗

昨年2コロナ渦と半導体不足の影響から、サプライチェーンへの負荷が高まり、供給が不安定になったのみならず、原材料費も高騰。そのような状況下にあって、「我々はお客様にタイムリーに製品をお届けすることが難しくなってしまった」とポンタス氏は振り返る。「それでも他社に比べれば我々は供給を何とか確保しつつ、お客様の要望を満たすことが出来た」としながらも、「我々が計画した通りの台数を輸入出来ていればもっと良かった」とより台数を増やすことが出来たことを語る。それでも結果としては、ステランティス7ブランド合計で「4万4000台を超える販売台数を達成。国産輸入問わず業界平均を上回る伸長率を達成した」とコメントした。

ジープは日本導入後初めて1万4000台を超え、フィアット、アルファロメオ、プジョー、シトロエンも2ケタ成長を遂げた。その結果ステランティスのシェアは2019年の14%、2020年の15%から、2021年には17%超にまで成長したのだ。

この成長を支えたのは、「新製品のローンチ、わくわくする限定車の導入、熱意あふれるディーラーの皆様による拠点やサービスの拡充。ブランドと製品の認知向上の為の投資の継続」が成功要因だったとポンタス氏はいう。

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◆ステランティスジャパンはスケールメリットを生かしてユーザーニーズに応える

そして、昨年7月にFCAジャパンとグループPSAジャパンのトップに就任して以降、「私のミッションは、両社を統合することで生み出される機会創出を検証し、相乗効果を生み出すようなプランを描き、それをどのように成長戦略につなげていくかを考えることだった」と述べ、「これまでの半年間、社内でさまざまな議論を積み重ね、出自に関係なく2社のベストプラクティスを持ち寄る作業を続けてきた。その結果、予想を大幅に超える意見や提案が社内中から寄せられ、ビジネスを向上させスケールメリットを生かしてアイデアを、人事、財務、物流や販売、マーケティング、広報など、あらゆる部門が届けてくれた。そして両社の多くの部門が自分たちのビジネスをより優れたものにするために、垣根を超えて協働するようになった」と明かす。

その大きな理由は、「両社の本社オフィス(東京都港区三田と東京都目黒区碑文谷)にあるそれぞれのオフィスを昨年11月から開放し誰もが使えるようにしたこと」だという。「オフィスを共有化することで両社の経験や知見を容易に持ち寄ることが出来るようになったからだ」と分析。

そこで、「これら2社の販売子会社を統合し、ひとつの大きな組織にすればスケールを活かし他社よりももっとお客様のニーズに応えられる。そこでステランティスジャパンの誕生だ」と宣言した。

なお、マセラティは統合せず、これまで同様独立した事業体として日本でのビジネスを推進するという。

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◆毎月のように新モデル登場

さて、ステランティスとして、2022年は13のニューモデル(限定車を除く)を市場に投入する。

まずジープは、「3列レイアウトの『グランドチェロキーL』。その後2列仕様車も登場。そしてグラディエーターを導入」。プジョーは「新型『308』と『308ハイブリッド』。フィアットからは待望のフル電動化された『500e』。シトロエンは新型『C4』とシトロエン初のEVとなる『Ë-C4エレクトリック』。そして『C5X』。アルファロメオは『トナーレ』。アルファロメオにとってこのセグメントは初参入であり、初の電動化モデルとなる予定だ。そしてDSオートモビルは『DS9』と「DS4」でDSオートモビルはこれで全ラインアップが揃う。最後にフィアットプロフェッショナル(フィアットの商用車部門)の『デュカート』で、ブランド初の日本市場向け商用車だ」と新規投入車種が目白押しであることを明かした。

《内田俊一》

内田俊一

内田俊一(うちだしゅんいち) 日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かしデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。保有車は車検切れのルノー25バカラとルノー10。

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