トヨタと兄弟車、シトロエン C1 生産終了…後継はEV『アミ』が担う

トヨタ『アイゴ』とプジョー『108』が兄弟車

『アミ』の1回の充電での航続は最大70km

運転席側に逆ヒンジドアを採用

シトロエン C1
シトロエン C1全 33 枚

シトロエンは1月27日、入門コンパクトカーの『C1』(Citroen C1)の生産を終了した、と発表した。シトロエンは後継車として、小型EVの『アミ』を顧客に提案していく。

◆トヨタ『アイゴ』とプジョー『108』が兄弟車

シトロエンは2014年春、ジュネーブモーターショー2014において、現行C1を発表した。C1は欧州Aセグメントに属し、シトロエンの入門車の役割を担うコンパクトカーだ。トヨタ自動車と当時のPSAグループ(現在のステランティス)の合弁会社が2005年、初代モデルを共同開発した。生産はチェコの合弁工場「TPCA」で行われてきた。2005年の初代からの累計販売台数は、およそ120万台に到達している。

トヨタは2021年1月、このTPCAを完全子会社化し、トヨタモーターマニュファクチャリングチェコを設立した。これにより、TPCAはトヨタモーターマニュファクチャリングチェコとして、トヨタの欧州における8拠点目の工場になった。

シトロエンC1と車台を共用するのが、トヨタ『アイゴ』、プジョー『108』だ。3車は基本メカニズムを共用しながら、各ブランドの専用ボディをまとう。トヨタモーターマニュファクチャリングチェコでは、2世代目となるトヨタアイゴ、プジョー108、シトロエンC1を生産してきた。

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◆『アミ』の1回の充電での航続は最大70km

シトロエンはC1の生産終了を受けて、コンパクトな入門モデルを求める顧客に、シティコミューターEVの『アミ』を代替モデルとして提案する。

アミは、2名乗りの小型のシティコミューターEVだ。ボディサイズは、全長2410mm、全幅1390mm、全高1520mm。車両重量は485kgに抑えられた。最小回転半径は3.6mと、取り回し性に優れる。シトロエンによると、バスや地下鉄、路面電車などの公共交通機関のほか、二輪車、自転車、スクーター、キックスクーターなどの代替手段として開発したという。最新の一部シトロエン車に導入されている「エアバンプ」が装備され、車体を損傷から保護する。

EVパワートレインのモーターは、最大出力が8.2hpだ。バッテリーは蓄電容量5.5 kWhのリチウムイオンで、フロア下にレイアウトされる。1回の充電での航続は最大70kmだ。シトロエンによると、毎日の通勤やちょっとした外出など、都市部での移動に最適で、70kmの航続は、都市部のユーザーの1日の平均移動距離を上回るという。バッテリーの充電は、220Vソケットで、およそ3時間で完了する。

◆運転席側に逆ヒンジドアを採用

アミでは、スマートフォンとの連携が強化されている。ドライバーは、航続、バッテリーの状態、充電の残り時間、メンテナンススケジューリングなど、車両に関する重要な情報に、いつでもスマートフォンからアクセスできる。

キャビンへのアクセスを容易にするために、運転席側には逆ヒンジ式のドアを採用した。車内に乗り込み、スマートフォンを専用の場所に置く。スマートフォンがダッシュボードのメイン画面になり、ナビゲーションや音楽にアクセスできる。

アミは新車として購入できるほか、例えば1年間の長期リース、1分、1時間、1日単位でのカーシェアリングなどにも利用できる。1分間の利用料金は、0.26ユーロとした。さらにアミは、「Free2Move」を使用したカーシェアリングや、月額19.99ユーロからの長期レンタルなど、ニーズに合わせて手頃な価格で利用できる、としている。

《森脇稔》

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