【スズキ GSX-S1000 新型試乗】「リラックス系」なライポジがステキな優等生…小鳥遊レイラ

ライポジは前モデルと同じくリラックス系

電子制御スロットルになったことで加速フィーリングが滑らかに

走りに磨きをかけた優秀なバイク

スズキ GSX-S1000 新型と小鳥遊レイラさん
スズキ GSX-S1000 新型と小鳥遊レイラさん全 16 枚

今回のお相手は、スズキの新型リッターネイキッド『GSX-S1000』。前モデルには昨春に試乗したのですが、新型ではだいぶイメージの変わった雰囲気となりました。

スズキ GSX-S1000 新型スズキ GSX-S1000 新型

新型は羽根が付いていたり斬新な縦2眼のLEDヘッドライトになっていたりと、いかにも“ザ・ストリートファイター”な今どきデザイン。また、新型ではライディングモードやトラクションコントロールといった電子制御機能が大幅に進化しています。一方、前モデルでは電子制御が控え目な代わりに1000ccのマシンを純粋に素の状態で味わいたいといった人におすすめという仕上がりになっていました。

その前モデルでは、旧GSX-Rゆずりのエンジンと扱いやすい車体やライポジとのバランスが素晴らしく、非常に乗りやすいマシンであったのが記憶に残っています。今回の新型はそこに電子制御がプラスされて、安心感も欲しいという人におすすめになったといった感じでしょうか。

ライポジは前モデルと同じくリラックス系

スズキ GSX-S1000 新型と小鳥遊レイラさんスズキ GSX-S1000 新型と小鳥遊レイラさん

電子装備が増えたために車重は5kg増の214kg。しかし、サイドスタンドをはらってマシンを引き起こしても、それほど重くなったという感じはありません。跨ると身長160cmの私だと腰高感があり、ツマ先がちょっとだけ接地する高めの足着き性なのですが、バランスがいいのか、あんまり不安定さがないんですよ。アップハンドルによってライポジは前モデルと同じくリラックス系。

GSX-Sのステキなところのひとつがこのライディングポジションで、加速でも巡航でもすべてにおいて偏っておらずバランスのいいポジションを取りやすくなっています。欲を言えば小柄な私の体格だと気持ちステアリングが遠いので、もう少し近くなってくれると嬉しいかも。ヒジがちょっと曲がる状態で乗れる方が疲れないし急ブレーキへの対応もしやすいのですが、ヒジが張りすぎというほどではないけど伸びた状態になっているんです。もっとも、大柄な男性だとヒジも曲がったまさにツーリングポジションになっているので、そこは男性の体格が羨ましいですね~。

電子制御スロットルになったことで加速フィーリングが滑らかに

スズキ GSX-S1000 新型スズキ GSX-S1000 新型

最高出力は150psで前モデルより2psのアップしましたが、街中だと馬力自体の変化にはまず感じないでしょう。しかし、新型では電子制御スロットルになったおかげで、加速フィーリングが非常に滑らかになっているのが際だって感じられます。それに、3段階のSDMS=スズキ・ドライブモード・セレクターが新たに加わりました。これは今どきの大型バイクにはほとんど付いているいわゆるライディングモードで、A=Active・B=Basic・C=Confortの3段階に乗り味を切り替えられるという装備。ただGSX-Sでは快適モードのCだからと言って最高出力が抑えられているわけではないのが面白いところです。

全モードで最高出力150psは同じまま、そこに到達するまでシャープに行くか緩やかかに行くかで違いを出しているんですね。この各モードがストリートモデルとして実にベストなセッティングとなっており、もっとも強力なAモードでも開け始めが鋭すぎるという感じがしません。このあたり、スーパースポーツである『GSX-R1000』のAモードに乗ったときはとても街中では扱いきれない鋭さであったのに、GSX-SのAモードでは交通が流れていれば街中でも十分に使えます。高速道だったら迷わず私はAモードを使うと思います。

走りに磨きをかけた優秀なバイク

スズキ GSX-S1000 新型と小鳥遊レイラさんスズキ GSX-S1000 新型と小鳥遊レイラさん

スズキ・トラクションコントロール・システム=STSCも、前モデルの3段階+OFFから5段階+OFFとさらに細かく設定できるようになりました。新たな電子装備として嬉しいのは上下両方向対応のクイックシフターが付いたことですね。あると無いのとではツーリングで長時間乗れば乗るほど疲れ具合がずいぶんと変わってきます。

このクイックシフターもスーパースポーツモデルだとシフトダウンでは派手なブリッピングでスポーティさを演出してくれるのですが、GSX-Sでは派手さは控えた代わりに街中のエンジン回転域でもしっかり作動する乗りやすさが光っていました。ちゃんとストリートに合わせて考えているところがスズキらしいなと感じるところです。

新型のGSX-S1000は、もともとみんなが乗りやすいと言っていたGSX-R1000(K5)のエンジンやストリートで扱いやすい車体バランスでとても完成度が高かったのですが、その良さはそのままに電子装備の強化でさらにスムーズな乗りやすさがプラスされ、走りに磨きをかけた優秀なバイクとなっていました。

スズキ GSX-S1000 新型と小鳥遊レイラさんスズキ GSX-S1000 新型と小鳥遊レイラさん

■5つ星評価
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★
コンフォート:★★★★
足着き:★★★
オススメ度:★★★★

小鳥遊レイラ|愛称:ことりちゃんレースクイーンに憧れてモータースポーツ業界へ。しかしMOTOR STATION TVでの出演をきっかけに走る方に目覚めてしまい、いきなり大型二輪免許を取得。現在では2輪4輪共にサーキットを走り、2019年に4輪のレース参戦のためJAF国内A級ライセンスを取得。2021年にMFJロードレース国内ライセンスを取得して、2輪・4輪両方でレース参戦。ストリート走行からサーキット走行まで楽しむモータースポーツ女子。身長は160cm。

▼旧型試乗の半年後に…新型GSX-S1000乗ってきました!|小鳥遊レイラのことりインプレ

《小鳥遊レイラ》

小鳥遊レイラ

小鳥遊レイラ|愛称:ことりちゃん レースクイーンに憧れてモータースポーツ業界へ。しかしMOTOR STATION TVでの出演をきっかけに走る方に目覚めてしまい、いきなり大型二輪免許を取得。現在では2輪4輪共にサーキットを走り、一昨年に4輪のレース参戦のためJAF国内A級ライセンスを取得。先日、MFJロードレース国内ライセンスを取得して、今年は2輪でもレースに参戦予定。イベントMCから2&4輪の耐久レース参戦まで楽しむモータースポーツ女子。身長は160cm。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. ついにハイブリッド化! 新型トヨタ『ランドクルーザー300』の発表にSNSでは「バク売れの予感」など話題に
  2. トヨタの顧客は1億5000万台…バリューチェーンで財務基盤強化
  3. 世界最高級ピックアップトラック誕生!? トヨタ『センチュリーピックアップ』の可能性
  4. 日産 リーフ 新型をライバルと比較…アリア、テスラ、bZ4Xと何が違う?
  5. 15歳から運転できる「小さいオペル」に興味アリ!「通勤用にこういうのでいいんだよ」など注目集まる
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 三菱が次世代SUVを初公開、『DSTコンセプト』市販版は年内デビューへ
  2. BYD、認定中古車にも「10年30万km」バッテリーSoH保証適用
  3. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  4. 独自工会、EV減速でPHEVに着目、CNモビリティ実現へ10項目計画発表
  5. 茨城県内4エリアでBYDの大型EVバス「K8 2.0」が運行開始
ランキングをもっと見る