村田製作所会長「自動車市場からの引き合いは依然として強い」…過去最高の業績

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村田製作所が2月1日に発表した2021年4~12月期の連結決算は、売上高が前年同期比13.0%増の1兆3794億円、営業利益が同40.1%増の3360億円、純利益が42.0%増の2504億円と、売上高、利益とも過去最高を更新した。営業利益率は4.7ポイント上昇の24.4%だった。

「コネクティビティモジュールや樹脂多層基板がスマートフォン向けで減少したが、コンデンサーがカーエレクトロニクス向けやコンピュータと関連機器向けに大きく増加したことに加え、電池がパワーツール向けで増加した。その結果、大幅な増収となった。営業利益についても生産高増加に伴う操業度益や合理化の推進による原価低減により、大幅な増加となった」と村田恒夫会長は4~12月期を振り返った。

用途別の売上高は、AV用途が巣ごもり需要を背景にゲーム機向けで積層セラミックコンデンサーが増加し、3.0%増の562億円。通信用途はスマートフォン向けで積層セラミックコンデンサーが増加したものの、コネクティビティモジュールと高周波モジュールが減少したため、4.1%減の6030億円だった。

コンピュータおよび関連機器用途は、リモートワークやオンライン教育需要を背景にPC向けで積層セラミックコンデンサーやインダクターが大きく増加し、28.7%増の2752億円となった。カーエレクトロニクス用途は、顧客による部品在庫の積み増し需要により、積層セラミックコンデンサーが大きく増加したほか、EMI除去フィルターやインダクターの売り上げも増加、その結果、29.5%増の2451億円となった。

ただ、第3四半期(10~12月期)は第2四半期(7~9月期)に比べると、AV用途が19.7%減の166億円、コンピュータおよび関連機器用途が0.6%減の925億円、カーエレクトロニクス用途が2.2%減の803億円となっている。その要因については、AV用途がゲーム機向けでコンデンサやリチウムイオン二次電池が減少、コンピュータおよび関連機器用途がPC向けでコンデンサーが減少、カーエレクトロニクス用途が顧客による部品在庫積み増しの動きの一巡によりコンデンサーが減少したためだ。

「自動車向けでは、確かに在庫の積み増しは上期に終了して、今の受注レベルは生産見合いで入ってきており、部品価格の下落は想定よりも緩い。来期も生産見合いで注文が入ってくると思うが、自動車市場からの引き合いは依然として強いので、大きく落ち込む心配はしていない」と村田会長は話す。

2021年度通期業績見通しは売上高が前期比8.6%増の1兆7700億円、営業利益が同30.9%増の4100億円、当期純利益が同27.4%増の3020億円で、7月の公表値より売上高で400億円、営業利益で450億円、当期純利益で310億円、それぞれ上方修正した。もちろん過去最高を更新する見通しだ。

「足元では、新型コロナウイルスの変異株の流行に加え、半導体供給不足をはじめとするサプライチェーン上の供給制約の長期化が懸念され、先行きは不透明な状況にある。しかし、5Gや自動車の電装化といった技術トレンドは不変であり、当社の事業機会は拡大している。当社のコンピタンスである『先を読む力』『ニーズを形にする力』『モノづくりを基盤とした価値を届ける力』をさらに強化し、中長期的な事業成長を目指していく」と村田会長は強調していた。

《山田清志》

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