防犯カメラをリアルタイム伝送に…停車位置がずれても速やかに開扉 京王の車内傷害事故対策

刺傷事件のあった京王線。
刺傷事件のあった京王線。全 4 枚

京王電鉄(京王)は2月1日、2021年10月31日に京王線布田~国領間の走行中車内で発生した車内傷害事件を受けた今後の対策を明らかにした。

京王では、事件後から駅構内の巡回強化や有料座席指定列車『京王ライナー』と特急での警戒添乗、警察と連携した訓練、鉄道事業本部安全推進部への鉄道テロ・災害対策担当設置などの対策を行なってきたが、今回の対応策では「車内や駅構内の非常時における早期状況把握」「非常時における車内のお客様の速やかな避難誘導」「非常用設備の認知度向上」「同種事件の未然防止」を4つを柱として、抜本的に対策が強化されることになった。

それによると、2023年度末を目途に全車両、全駅ホームに設置されている車内防犯カメラをリアルタイム伝送機能を持つものに交換または設置。車内非常警報装置が複数押され、かつ、その内容を確認できない場合は、基本的に防護無線を発報して他の列車を停止させるとともに、車内放送で注意喚起を行ない、最寄り駅に停車するとしている。

また、事件時、緊急停車した際に停車位置とホームドアがずれてドアからの脱出ができなかったことについては、基本的に双方を開けて安全誘導するとしている。

このほか、トラブルや危機への対応力強化を図るための訓練の実施、ピクトグラムを活用して非常用設備の位置をわかりやすくすることなどが盛り込まれている。

京王ではこれらの対策を通して「テロ・暴漢への抑止力を向上させるとともに、万一の発生時に備えたお客様への被害回避・軽減の適応力を強化し、安心して当社線をご利用いただける環境づくりに引続き取組んでまいります」としている。

2021年12月に東京メトロで行なわれたホームドアを使用した異常時想定訓練。京王では2月に京王線飛田給(とびたきゅう)駅(東京都調布市)で同様の訓練を実施する予定。2021年12月に東京メトロで行なわれたホームドアを使用した異常時想定訓練。京王では2月に京王線飛田給(とびたきゅう)駅(東京都調布市)で同様の訓練を実施する予定。

《佐藤正樹(キハユニ工房)》

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