トヨタのWRC選手育成プログラム、勝田貴元に続く新世代3人を選抜

左から大竹直生、小暮ひかる、山本雄紀の各選手。
左から大竹直生、小暮ひかる、山本雄紀の各選手。全 5 枚

トヨタGAZOOレーシング(TGR)は7日、世界ラリー選手権(WRC)で活躍できる選手の育成を目標とした「TGR WRCチャレンジプログラム」の新参加メンバー3人を発表した。勝田貴元に続く躍進を目指すのは、大竹直生、小暮ひかる、山本雄紀の各選手。

TGR WRCチャレンジプログラムといえば、現在は「TGR World Rally Team Next Generation」からWRCのトップカテゴリーにレギュラー参戦中の勝田貴元である。昨年のWRC第6戦サファリでは自己最高の2位に入るなどの活躍を演じており、トップカテゴリーが新規定に移行した今季も一層の飛躍が期待されている。

そしてTGRは勝田に続く若手ドライバーの育成にも具体的に着手。TGR WRCチャレンジプログラムの新メンバー募集を昨年8月に開始し、60名もの応募者のなかから選ばれた8名が今年1月、TGR World Rally Team(TGR-WRT)の本拠があるフィンランド・ユバスキュラで2週間のトレーニングキャンプに臨んだ(ユバスキュラはWRCフィンランド戦の“開催地”としても知られる)。

トレーニングキャンプを経て、現時点でのスキルよりもプロフェッショナル・ラリードライバーになるためのポテンシャル(学習能力等)を考慮したという選考によって、3人のプログラム参加が決まった。その顔ぶれは、大竹直生(Nao Otake/21歳)、小暮ひかる(Hikaru Kogure/20歳)、山本雄紀(Yuki Yamamoto/24歳)である(年齢は2022年2月7日時点)。これまでは日本国内で開催されるラリーに参戦するなどしてきた選手たちだ。

3人はペースノートの作成や「Rally 4」規定のマシン(ちなみに今季からのトップカテゴリーマシンは「Rally 1」)での走行を中心にトレーニングを開始。4月にはフィンランドに居を移してトレーニングを集中的に実施し、夏以降はフィンランドを含む欧州のラリーにRally 4のマシンで参戦する予定になっている。

チーフ講師を務めるミッコ・ヒルボネン(WRC通算15勝)は、「先のトレーニングに参加した候補者8名の姿勢には本当に感心させられたし、選考は簡単ではなかった」とした上で、今回選んだ3名について、「自身のキャリアをよく学び、常に進歩させようという強い意志が感じられた。また、トレーニング期間中の成長度合い、講師からのアドバイスの習熟度、プレッシャーのかかる様々な状況への対応といった点でも非常に印象的だった」と評している。

さらにヒルボネンは「今後の彼らには本当に明るい未来が待っていると信じている。彼らにとってはこれからが本当のチャレンジとなるが、その準備は充分にできていると期待している」と続けた。なお、(TGRによれば)プログラムへの参加継続については毎年、パフォーマンスと成長を評価しての判断になる、とのことである。

今年は(ついに)WRCの日本開催が復活する予定であり、トヨタ(TGR-WRT)や勝田の活躍もあって、日本でのWRCを取り巻く環境には追い風が(徐々にだが)強まり続けている状況。そうしたところも味方にしつつ、3人には大きな成長を遂げることが期待される。そして“先輩”である勝田には、(簡単ではないが)WRC初優勝の早期実現を狙っていってほしいところだ。

《遠藤俊幸》

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