春闘2022 ベア要求復活の動き…交渉スタート

トヨタ自動車高岡工場
トヨタ自動車高岡工場全 3 枚

自動車メーカーの2022年春闘は2月16日に労組から要求が提出され、コロナ下で3年目となる交渉が始まった。業績の先行きが不透明だった昨年に比べ、2022年3月期での回復が見えてきたことから、ベースアップ(ベア)要求が復活する動きとなっている。

トヨタ自動車の賃上げ要求は、今年から従来の全組合員平均で示す方式から職種(事務技術系や技能系など)や職位(主任など)ごとの12種類で示すものに変えた。咋年は総額9200円の要求で満額回答だった。一方で業界内の格差拡大に配慮し、ベアについては昨年同様、あるか否かも含めて公表を見送った。

新しい要求方式についてトヨタ労組の西野勝義委員長は「組合員一人ひとりの賃上げ要求額がいくらかを分かりやすい形で示すことで、個々の能力を最大限引き出しつつ、社会全体の格差是正に少しでも貢献していく狙い」と、交渉の場で説明した。

昨年はホンダ、マツダ、三菱自動車工業がいずれも8年ぶりにベアの要求を見送っていたが、いずれも2年ぶりに復活させている。ホンダは「賃金引き上げ」と「誇り・魅力ある職場に向けた人への投資」で1500円ずつ、計3000円の要求とした。

マツダはベアと定昇分の合計で7000円の要求としている。また、「平均賃金改定原資」として要求が出される日産自動車は、昨年の7000円(満額回答)を1000円上回る8000円となった。 

ボーナスである年間一時金については、トヨタが昨年の要求だった6.0か月(満額回答)を0.9か月分上回る6.9か月の要求とした。ホンダも昨年の要求である5.3か月(同)を0.7か月分上回る6.0か月と、一昨年と同じ要求に戻している。日産は昨年の要求だった5.0か月(同)から0.2か月分多い5.2か月とし、各社の業績回復が反映される格好となっている。労組側は集中回答日を3月16日に設定しており、労使は1か月間の交渉に臨む。

《池原照雄》

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