20年以上変化がない鉄道運賃…斉藤国交相「今後のあり方、夏までには方向性を」

大手私鉄の実質的な運賃改定は、相鉄が1999年に行なったものが最後だった。
大手私鉄の実質的な運賃改定は、相鉄が1999年に行なったものが最後だった。全 4 枚

斉藤鉄夫国土交通大臣は2月18日に開かれた定例会見で、「鉄道運賃・料金制度のあり方に関する小委員会」について記者の質問に答えた。

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鉄道運賃は、1999年に一部改正された鉄道事業法で、改定後の運賃収入が適正な原価に適正な利潤を加えた「総括原価」を上回らないとする上限認可制となった。しかしそれ以来、JR北海道を除いて現在まで実質的な値上げを行なった大手鉄道事業者はなく、それゆえに、鉄道運賃は他の公共料金と比べて低い水準に据え置かれているとされている。

しかし、近年はコロナ禍を受けたテレワークの増加による乗客減、相次ぐ車内傷害事件にまつわるセキュリティ強化、バリアフリー化、脱炭素化など、鉄道事業者を取り巻く社会状況が大きく変化していることから、小委員会は「今日的視点からの検証が必要である」として2月14日に非公開で開かれた。

これについては値上げという形で利用者の負担増が想定されることから、記者からは「やむを得ないものなのか」という質問が出たが、斉藤大臣は「利用者ニーズに即した、より良いサービスを持続的に提供できるよう、そのために今後の運賃・料金制度はどうあるべきかについて検討する」と述べるに留め、夏までには大きな方向性を打ち出す意向を示した。

また、国民にとって関心が高い問題であるにも拘わらず、非公開で開かれたことに疑問の声も出たが、これについて斉藤大臣は「事業者等からヒアリングを行う際には、企業の経営に関する情報も含まれ得ることから、そのような場合は公開は難しい」と述べた上で、特段の事情がなければ公開することを基本にする考えも示した。

《佐藤正樹(キハユニ工房)》

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