VWのEV『ID.4』、航続7%延長…2022年モデルを米国発表

1回の充電での航続は最大450kmに

急速充電ステーションでの充電時間を短縮

EV向けモジュラー車台「MEB」がベース

フォルクスワーゲン ID.4
フォルクスワーゲン ID.4全 10 枚

フォルクスワーゲン(Volkswagen)の米国部門は2月22日、EVの『ID.4』の2022年モデルを発表した。航続に関して、EPA(米国環境保護局)の認証予定値が従来比でおよそ7.6%向上した、としている。

◆1回の充電での航続は最大450kmに

ID.4は、スポーティかつオールラウンドな性能を追求した。米国向けID.4 の「RWD Pro」と「RWD Pro S」グレードの場合、リアアクスルに搭載されたモーターは、最大出力201hp、最大トルク31.7kgmを引き出す。

「AWD Pro」と「AWD Pro S」グレードの場合、フロントアクスルに最大出力107hp、最大トルク16.5kgmのモーターを追加する。リアアクスルのモーターと合わせて、システム全体で最大出力295hp、最大トルク46.9kgmを引き出す。AWD Pro グレードの場合、0~96km/hは5.7 秒の性能を発揮する。

バッテリーは蓄電容量が82kWh。バッテリーは低重心化のために、キャビンのフロア下にレイアウトされた。電動4WDと210mmの最低地上高により、整備されたオフロードでは優れた性能を発揮するという。

2022年モデルの1回の充電での航続は、米国仕様の場合、RWD Proが280マイル(約450km)、RWD Pro Sが268マイル(約431km)、AWD Proが251 マイル(約404km)、AWD ProSが245マイル(約394km)。RWD Proの約450kmの航続は、従来よりも20マイル(約32km)、およそ7.6%延びている。

フォルクスワーゲン ID.4フォルクスワーゲン ID.4

◆急速充電ステーションでの充電時間を短縮

2022年モデルでは、DC急速充電ステーションでの充電出力を125kWから135kWに引き上げ、充電時間の短縮が図られる。また、2022モデルには、全米のDC急速充電ネットワークとして、フォルクスワーゲングループが設立した「エレクトリファイ・アメリカ」において、3年間無制限の30分間充電パッケージが無償付帯する。

フォルクスワーゲンの顧客は、エレクトリファイ・アメリカのアプリを通じて、充電を管理できるようになる。2022年モデルには、急速充電ステーションでの認証が簡単に行えるプラグ&チャージ機能をオプション設定し、エレクトリファイ・アメリカでの充電を簡素化する。

エレクトリファイ・アメリカは現在、全米に800か所のEV向け急速充電ステーションと約3500基の急速充電器を擁する。同社は2026年までに、米国とカナダで、充電ネットワークを現在の2倍以上に増やす計画だ。この計画が実現すれば、急速充電ステーションは1800か所、急速充電器は1万基に拡大する。

フォルクスワーゲン ID.4フォルクスワーゲン ID.4

◆EV向けモジュラー車台「MEB」がベース

ID.4はフォルクスワーゲンの新世代EVの「ID.」ファミリーの2番目のモデルだ。第1弾は、小型ハッチバックの『ID.3』だった。ID.4は、フォルクスワーゲン初の本格的な電動SUVになる。世界最大の市場セグメントに成長しているコンパクトSUVセグメントに投入するために開発された。

ID.4は、フォルクスワーゲングループのEV向けモジュラー車台、「MEB」アーキテクチャをベースにしている。全長は4580mmで、乗員のための充分なスペースを持つ。トランクルームの容量は543リットル。後席を倒せば、最大で1575リットルに拡大する。電動テールゲート、ルーフレール、キャンピングカーなどのけん引ブラケットが装備される。

インテリアは、ボタンやスイッチ類を極力なくし、2つのディスプレイに操作系を集約した。そのうちの1つのディスプレイは12インチサイズで、タッチ機能を備えている。

フォルクスワーゲン ID.4フォルクスワーゲン ID.4

《森脇稔》

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