視聴位置を擬似的に移動する機能[カーオーディオ システムアップ AtoZ]

高度な「クロスオーバー」と「タイムアライメント」が搭載された市販AV一体型ナビが採用されたオーディオカーの一例(ダイヤトーン・デモカー)。
高度な「クロスオーバー」と「タイムアライメント」が搭載された市販AV一体型ナビが採用されたオーディオカーの一例(ダイヤトーン・デモカー)。全 8 枚

「好きな音楽をもっと良い音で楽しみたい!」、そう考えているドライバー諸氏にカーオーディオシステムのバージョンアップをお薦めし、それを実現するための機器選びのコツを紹介している当連載。現在は「AV一体型ナビ」のチョイスのポイントを解説している。

【画像全8枚】

前回は「クロスオーバー」という機能の有無をチェックすべきであることを説明した。それに引き続いて今回は、搭載されていると使い勝手が良くなるもう1つの重要機能、「タイムアライメント」について解説していく。もしもオーディオメインユニットとして高性能な「AV一体型ナビ」が欲しいと思うなら、当機能の搭載の有無も確認すべきだ。これが使えると、音楽の“聴こえ方”を変えられるのだ。

そうである理由は以下のとおりだ。まず「タイムアライメント」とは、各スピーカーが発する音の到達タイミングを揃えられる機能だ。クルマの中ではリスニングポジションが左右のどちらかに片寄るので、各スピーカーから放たれる音の到達タイミングがズレてしまう。で、これはステレオ再生を楽しむ上ではマイナスポイントとなる。なぜなら、左右のスピーカーから等距離の場所に身を置かないとステレオの効果が薄まるからだ。ステレオとは、音楽を左右のchに分けて録音し、それを左右2本のスピーカーで再生することで音楽をリアルに(立体的に)再現しようとするものだが、そのメカニズムを成り立たせるためには左右のスピーカーから放たれる音をバランス良く聴く必要がある。しかしクルマの中ではそうもいかない。

しかし「タイムアライメント」という機能が使えれば、近くにあるスピーカーの発音タイミングを遅らせられるので、擬似的に各スピーカーから等距離の場所にいるかのような状況を作り出せるのだ。

ところで、前回に説明した「クロスオーバー」機能の性能によっても「タイムアライメント」の使い勝手が変わってくる。高度な「クロスオーバー」機能では、フルレンジの音楽信号をツイーター用の高音信号とミッドウーファー用の中低音信号とに分割できる。そうであると「タイムアライメント」もツイーターとミッドウーファーのそれぞれに個別に効かせられるようになる。クルマの中では、ツイーターとミッドウーファーの取り付け位置が離れてしまう場合が多く、そうであるならば「タイムアライメント」も各スピーカーごと個別にかけられた方が効果が高まる、

対して、ツイーターとミッドウーファー間に運用できないタイプの「クロスオーバー」では、ツイーターとミッドウーファーが別々の場所に付いていてもそれらを1つのスピーカーとして扱わざるを得なくなる。

とはいえ、そうであっても「タイムアライメント」が使えることの意義は大きい。「タイムアライメント」が非搭載の場合と比べて、ステレオ感の再現性はぐっと高まる。

というわけで、もっともお薦めなのは「クロスオーバー」が優秀でかつ「タイムアライメント」も搭載されているモデルだ。もしくは購入コストを抑えたい等の理由があってその他の機種に惹かれる場合には、「クロスオーバー」機能は高度ではなくとも「タイムアライメント」が搭載されている機種がお薦めとなる。参考にしてほしい。

今回は以上だ。次回も「AV一体型ナビ」のチョイスのポイントを解説していく。お楽しみに。

視聴位置を擬似的に移動させられる機能がある!? システムアップのための、カーオーディオユニット“AtoZ”! lesson 02「メインユニット編」その10

《太田祥三》

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