不測の事態でも安全に自動停車、便利だけど「お世話になりたくない」装備にお金を払うということ

2022年に導入される「CO-PILOT 1.0」と、その先の「2.0」

不測の事態に安全な場所で停車する

「使いたくない装備」にお金を払うということ

マツダ「CO-PILOT CONCEPT(コパイロットコンセプト)」を体験試乗
マツダ「CO-PILOT CONCEPT(コパイロットコンセプト)」を体験試乗全 16 枚

マツダが「CO-PILOT CONCEPT(コパイロットコンセプト)」というものを発表した。いつまでも自動車を安心して使い続けたい。でもそうはいかなくなった時の備えといえば良いかと思う。

【画像全16枚】

もっとも、「こんなものにはお世話になりたくない」と思う人がドライバーの大半だろうが、その時は好むと好まざるにかかわらず、訪れる可能性がある。つまり運転中に不意に意識を失ってしまうなどの不測の事態を迎えた時、それを自動車側が検知して安全に車両を止めてくれ、さらには必要と思われる関係方面への連絡もしてくれるというものである。

2022年に導入される「CO-PILOT 1.0」と、その先の「2.0」

そもそもCO-PILOTとは飛行機で言えば副操縦士。万一操縦士が不測の事態に陥っても副操縦士が無事に着陸させてくれるという図式をクルマに応用したもので、その副操縦士はヒューマンではなく機械あるいは電子デバイスであるという点が異なる。

そのためには当然常にドライバーを見守っている必要があるのだが、それを司るのがカメラでありセンサーである。そもそもこのCO-PILOT技術は「MAZDA CO-PILOT 1.0」と「MAZDA CO-PILOT 2.0」が存在し、今回同乗試乗したのは後者の技術試作車である。そしてこのMAZDA CO-PILOT 1.0については今年、すなわち2022年には導入予定であるという。

マツダ「CO-PILOT CONCEPT(コパイロットコンセプト)」を体験試乗マツダ「CO-PILOT CONCEPT(コパイロットコンセプト)」を体験試乗

では1.0と2.0にはどのような違いがあるかというと、まず機能としてドライバーへの音声案内が1.0では無いこと。および高速道路においても一般道においても非常停車帯に退避できるのが2.0で、1.0にはその機能がなく、単に車両を止めるだけという形になることだ。

そのため、仕様としては1.0がベース車両のセンサーだけに頼るのに対し、2.0の方は既販車のセンサー仕様に加えてカメラを12台追加(このうち1台は室内)、それに高精度地図とロケーターECUが追加されているという。そして2.0の導入は2025年以降を予定しているというが、その時に現在の技術試作車のような数のカメラを搭載しているか否かは今後の技術開発の進捗によって変わるということであった。

不測の事態に安全な場所で停車する

マツダ「CO-PILOT CONCEPT(コパイロットコンセプト)」を体験試乗マツダ「CO-PILOT CONCEPT(コパイロットコンセプト)」を体験試乗

今回は公道でのテストということでドライバーはマツダ社内の方が行い、SOSボタンを押すことで疑似的な不測の事態を作り上げて行った。そして我々はその一連の事態を同乗して観察させていただいたということである。

公道であるから、場所によっては信号もあるし、違法駐車車両も存在する。そんなところできちんと安全を確認したうえで、最終的には車を止めるということをデモンストレーションした。

一連の事態とは、まず(1)SOSボタンを使って異常を検知するところから始まる。ドライバーの前にはカメラとセンサーが付いているが、ドライバーの状態を見ているカメラは主としてセンターのディスプレイ横につくカメラで、スタリングコラムにつくものはあくまで補助の役割をしているそうだ。異常を検知すると、ディスプレイに「ドライバーの異常を検知しました」という文字がディスプレイされる。もっとも不測の事態に陥ったドライバーにこれを見ることはできない。そしてこの時点で、ドライバーはステアリングを握っていない。

(2)異常を検知した車は周囲の他車にドライバーに異常があることを示すハザードランプを点滅させ同時にホーンを鳴らしながら減速をする。(3)次に安全な場所を探して自動操縦しながらクルマを走らせる。そして安全な場所を見つけて停車というのが一連の流れだが、さらに踏み込んで安全な場所を探す際は幹線道路(走行中の)を避けて路地に入って止まるというすご技も披露してくれた。これらについては高精度地図やロケーターが必須になると思われる。

マツダ「CO-PILOT CONCEPT(コパイロットコンセプト)」を体験試乗マツダ「CO-PILOT CONCEPT(コパイロットコンセプト)」を体験試乗

「使いたくない装備」にお金を払うということ

いずれにしても自動車メーカーが事故ゼロを目指している姿勢に変わりはなく、どのようにアプローチし、どのように考えるかによって特色が現れると感じられた。もちろん大前提はドライバーの安全と周囲の安全を守ることである。

もっとも、自分はピンシャンしているつもりだから、一番お世話になりたくない装備であるし、2025年にこのシステムを導入したとしてもそれは標準装備ではなくオプションになる予定で、果たしてどれほどのユーザーが高いお金を払って(今は結構なお値段になるそうだが)使いたくない装備をチョイスしてくれるか、そのあたりの問題の解決も必要だと思われた。

《中村 孝仁》

中村 孝仁

中村孝仁(なかむらたかひと)|AJAJ会員 1952年生まれ、4歳にしてモーターマガジンの誌面を飾るクルマ好き。その後スーパーカーショップのバイトに始まり、ノバエンジニアリングの丁稚メカを経験し、さらにドイツでクルマ修行。1977年にジャーナリズム業界に入り、以来45年間、フリージャーナリストとして活動を続けている。また、現在は企業やシニア向け運転講習の会社、ショーファデプト代表取締役も務める。

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